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宇高航路を最後まで支えた「四国フェリー」って、どんな会社?

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架橋計画がない小豆島航路で生き残り

宇高航路は四国フェリーと宇高国道フェリーの2社体制となるが、利用者の減少は続く。2009年12月には40往復から22往復へと半数近くに減便。2社は運航時刻を調整し、往復乗船券を相互利用できるようにするなど利便性の確保を狙った。

それでも経営は好転せず、2010年2月に四国フェリーは宇高国道フェリーと、宇高航路の廃止を申請する。関係自治体からの強い働きかけもあって両社ともに廃止を撤回したが、宇高国道フェリーは2012年10月に運休。宇高航路は四国フェリーの1社体制になった。

宇高国道フェリーは海運業から撤退し、現在は鮎滝カントリークラブ(高松市)などの運営を手がけている。

四国フェリーは一層の経営合理化を図るため、2013年4月に宇高航路の運航を子会社の四国急行フェリーに移管。2014年7月には宇高航路の早朝・深夜便を廃止して22往復から14往復に減便、運航時間を午前7時より午後8時までに変更して半世紀続いた24時間運航を取りやめた。

2015年3月に14往復から10往復に減便。同10月には「宇野高松間地域交通連絡協議会」で、関係自治体の岡山県、玉野市、香川県、高松市が船舶修繕費など最大で年間3000万円の支援を実施することが決まり、2018年度には1500万円の補助金が交付された。

こうした努力もむなしく客足は戻らず、2017年4月には1日5往復にまで減便。もはや幹線物流ルートとしては機能しない状態にまで追い込まれる。そして、最後まで踏み止まった四国フェリーも撤退を決め、宇高航路は歴史の幕を閉じることになった。

宇高航路からは撤退する四国フェリーだが、小豆島(約2万9000人)と姫路港(兵庫県姫路市)、岡山港、高松港を結ぶ航路は残る。2014年6月には小豆島フェリーを買収、小豆島豊島フェリーとして傘下に入れた。同社は宇野港と豊島(香川県小豆郡土庄町)の家浦港、唐櫃港、小豆島の土庄港を結ぶ航路を運航している。

小豆島と本州や四国を結ぶ橋やトンネルの建設計画はない。「船でしか渡れない島」としては国内最大の人口を擁する小豆島を結ぶ航路だけに、宇高航路の二の舞になることはなさそうだ。

四国フェリーは小豆島と本州・四国を結ぶ航路で生き残る(同社ホームページより)

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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