リモート勤務で下がる住宅需要の穴埋めは…

これは具体的に何を意味しているのか?そこにもコロナ禍の影響がうかがえる。コロナ感染対策として大手企業を中心に会社へ通勤しないリモート勤務が普及した。その結果、オフィス賃料の高い地域を中心にリモート勤務の常態化によるオフィスの閉鎖や縮小が始まっている。

さらに通勤が不要になったことで、これまでオフィスに近いことで人気があった都心部のマンション需要が減少し、郊外の一戸建て人気が高まっている。

新日本建物は首都圏を中心に分譲の「ルネサンス マンション」や賃貸の「ルネサンスコート」「ルネコート」などを展開する。住宅需要が都心回帰から再び郊外流出へ戻ると、都市部のマンションは分譲・賃貸ともにニーズが下がる。その「穴埋め」の一つとしてカプセルホテルに注目したのだ。

カプセルホテル業界はリモート勤務に対応した新サービスの提供を始めている。自宅での勤務が難しいリモートワーカーのための時間貸し(デイユース)だ。全国に6店舗を展開する「本に囲まれて宿泊できる」カプセルホテルのブック アンド ベッド トウキョウ(Book and Bed Tokyo)では、平日1時間500円から(ベッド利用は同777円から)デイユースが可能だ。

全国に15店舗を展開するナインアワーズでは最初の1時間は1000円、それ以降は1時間毎に500円でデイユースを提供。こちらは追加料金なしにベッドやシャワーも利用できる。経営破綻後も営業を継続しているファーストキャビンのフランチャイズ店でも1時間当たり800円から(最低利用時間2時間)でショートステイ(デイユース)に対応している。

都心の新築ワンルームマンションをホテルへ改装する動きもある。これはマンションオーナーが賃貸よりも利益率が高い民泊物件に転換していたのと同じ流れと言えるだろう。今後、コロナ禍が収束すれば再びホテル需要が高まり、カプセルホテルの宿泊者も増えると期待される。リモート勤務で消えるオフィスや都心のマンション需要は戻らないが、宿泊客が戻ってくる可能性は高いのだ。

文:M&A Online編集部