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三菱自だけでは終わらない!日本車「中国から総撤退」の現実味

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もはや中国では「EVが当たり前」の時代に…深圳国際空港にオープンしたEV充電ステーション(Photo By Reuters)

新車の4分の1はEVの中国市場、ついていけない日本勢

中国車メーカーの好調を支えているのがEVだ。中国自動車市場でのEV販売台数は8月に前年同月比14.4%増の59万7000台、1〜8月累計では前年同期比26.4%増の384万2000台と大きく伸びている。乗用車に占める割合は8月単月で26.3%、同累計で24.8%と新車販売の4分の1を占めた。中国では4台に1台の割合でEVが売れている。

この多くが中国メーカーによるもの。特にBYDが強い。同社に対抗できているのは米テスラと独フォルクスワーゲン(VW)ぐらいだ。三菱自や、「リーフ」を発売した日産自動車<7201>など、世界に先駆けてEVを量産化した日本車メーカーだったが、後が続かなかった。

環境車ではハイブリッド車で大成功を収めたために、日本車メーカーの間に「まだまだEVの時代は来ない」との認識が広がる。その結果、EVシフトに乗り遅れた。世界最大手であるトヨタ自動車<7203>ですら、EVシフトに伴う販売不振から7月に中国事業で1000人の人員削減を余儀なくされている。

中国政府は2023年6月に、EVなど新エネルギー車向けの優遇税制策を2027年まで継続すると発表した。世界最大の自動車市場である中国で、今後ますますEVシフトが進むのは確実な情勢だ。すでに中国車メーカーやテスラ、VWはEV増産にアクセルを踏み込んでいる。エンジン車並みの量産はこれからの日本車メーカーが追いつくのは至難の技だろう。日本車メーカーから第二、第三の中国撤退企業が出てくることも覚悟しておかねばならない。

文:M&A Online

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