ラーメン店の「一風堂」と「幸楽苑」コロナ禍後を見据え新たな一手
「一風堂」の力の源ホールディングスと、「幸楽苑」の幸楽苑ホールディングスが、コロナ禍後を見据え新たな一手を打った。両社はともに業績が上向いており、こうした取り組みでさらなる上振れが期待できそうだ。
パチンコ、パチスロ(パチンコ型スロットマシン)メーカー大手のSANKYO<6417>とセガサミーホールディングス<6460>の両社がスタートダッシュを決めた。
SANKYOは2024年3月期第1四半期の営業利益が前年同期比2.02倍となり、同期間のセガサミーの営業利益は8.12倍と大幅な伸びを記録した。
SANKYOはパチンコ機の販売台数が24.1%増えたのをはじめ、パチスロ機の販売台数は19倍に急増。セガサミーもパチンコ機の販売台数が2.78倍に、パチスロ機の販売台数は8倍に増加したのが要因だ。
営業利益の伸びを見ると、セガサミーの8倍に目が奪われがちだが、営業利益率はセガサミーの20.8%に対し、SANKYOが37.7%と大きく上回る。本業の儲けを表す営業利益の差はどこからくるのか。
セガサミーホールディングスの2024年3月期第1 四半期の売上高は1080億5000万円で前年同期比63.4%増えた。営業利益は225億5600万円で、前年の27億7700万円から一気に200億円近い増益となった。
同社はパチンコ機やパチスロ機の遊技機事業と、ゲームソフトや、UFOキャッチャーなどのアミューズメント機器などからなるエンタテインメントコンテンツ事業が経営の2本柱となっており、業績には両事業が含まれる。
同社が公表した2024年3月期第1四半期の部門別の状況を見ると、エンタテインメントコンテンツ事業は2.0%の増収、45.9%の経常減益だったのに対し、遊技機事業は4.79倍の増収(510億8800万円)、経常利益は前年同期の6億4600万円の赤字から218億3600万円の黒字に転換した。
このためスタートダッシュの要因は遊技機事業の躍進にあると言える。その遊技機事業を見ると、パチンコ機では「P北斗の拳 暴凶星」などが、パチスロ機でも「スマスロ北斗の拳」などが好調だった。
一方、SANKYOの2024年3月期第1四半期は、売上高は507億7700万円で前年同期よりも82.9%増えた。営業利益は191億8800万円で、一気に100億円近い増益となった。
パチンコ、パチスロで同時発売した漫画作品「炎炎ノ消防隊」とのタイアップ機がヒットしたほか、パチンコ機「新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~」や、スマートパチスロ機「パチスロ 革命機ヴァルヴレイヴ」なども好調だった。
パチンコ機関連事業の売上高は348億円(前年同期比32.0%増)、営業利益は149億円(同36.8%増)、パチスロ機関連事業の売上高は90億円(同14.4倍)、営業利益は48億円(前年同期は2億円の赤字)といずれも大きく伸びた。
「一風堂」の力の源ホールディングスと、「幸楽苑」の幸楽苑ホールディングスが、コロナ禍後を見据え新たな一手を打った。両社はともに業績が上向いており、こうした取り組みでさらなる上振れが期待できそうだ。
2024年3月期に、2期連続の営業減益のセコム、1期で営業増益に転じる綜合警備保障(ALSOK)という構図が現れる。営業利益は本業の稼ぐ力を表す。両社の差は何なのか。