スマホゲームに変動の波 パズドラの「ガンホー」に軍配 モンストの「MIXI」は小休止?

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スマートフォンの画面より

「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」のガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>と、「モンスターストライク(モンスト)」のMIXI<2121>のスマホゲーム大手2社が抜きつ抜かれつの状況となっている。

MIXIは2023年3月期に20.4%の増収、39.4%の営業増益となったのに対し、ガンホーは2022年12月期に0.8%ながら増収を達成したものの15.7%の営業減益に陥っていた。

ところが、新年度は両社の状況が逆転。ガンホーの2023年12月期第2四半期が45.1%の増収、28.9%の営業増益と好調に推移しているのに対し、MIXIの2024年3月期第1四半期は5.9%の減収、59.6%営業減益と苦しい展開を余儀なくされている。

ゲーム市場は巣ごもり需要が減少しているものの、今後も堅調な成長が見込まれている業界だけに、両社の攻防はまだまだ接戦が続きそうだ。

ガンホーとMIXIの四半期決算

ユーザー数が堅調に推移

ガンホーの2023年12月期第2四半期は売上高が676億7100万円で前年同期よりも210億3600万円もの増収となった。

長期的に楽しめるように、新ダンジョン(ゲームの舞台)の追加や、オリジナルイベントの開催などを実施したことから、ユーザー数が順調に伸びたのが主因だ。

この増収に伴って利益も伸びており、本業の儲けを示す営業利益は170億6300万円と、38億2100万円もの増益を達成した。

同社は通期の業績予想を公表していないが、第2四半期時点で30 %近い営業増益となっているため、4期ぶりに営業減益となった2022年12月期から一転、増益となる可能性は高そう。

一人当たりの平均売上高が低下

一方、MIXIの2024年3月期第1四半期の売上高は292億700万円で、18億1500万円の減収となった。

主力のモンストで、ユーザー一人当たりの平均売上高が低下するなど冴えない展開になったことから減収を避けられなかった。

このため利益も伸び悩み、営業利益は22億4500万円と前年同期(55億5700万円)の半分以下に落ち込んだ。

こうした状況を踏まえ、2024年3月期通期の業績は売上高1380億円(前年度比6.0%減)、営業利益120億円(同51.7%減)と減収大幅減益を見込む。

2023年3月期は20.4%の増収、39.4%の営業増益と2ケタの増収増益を達成していたが、こちらは一転して営業利益が半減する見込みだ。

M&Aが先行きを左右

MIXIは2023年8月に、エンターテインメント事業を手がけるインドのスタートアップ企業に5000万ドル(約75億円)を投資すること決めた。スマホを核とするゲーム市場が急成長しているインドで、現地企業との連携を深めることで新たな収益の柱の構築や既存事業とのシナジーを創出するのが狙いだ。

一方、ガンホーは2014年に決済代行サービスの米PlayPhoneを子会社化し、ゲーム市場での事業拡大に乗り出して以来、企業買収は実施(適時開示情報)していない。

成長が見込まれるゲーム業界で、国内のユーザー数やユーザー一人当たりの売上高などに加え、M&Aも先行きを左右する要因の一つとなるかもしれない。

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文:M&A Online

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