M&A Online編集部が大量保有データベースで2020年8月の大量保有報告書の提出状況を調べたところ、米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが、子会社のNational Indemnity Companyを通じて、三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、住友商事の商社5社の株式を新規保有した。保有割合はいずれも5.02%-5.06%で、今後買い増す可能性があるという。
ZOZO元社長の前澤友作氏は紳士や婦人衣料を手がけるユナイテッドアローズの5.98%を新規保有し、8月中に一度買い増し保有割合を7.97%とした。同氏は合わせてカジュアル衣料品を手がけるアダストリアも5.6%を新規保有した。
介護大手ニチイ学館にTOB(株式公開買い付け)を仕掛けていた米国の投資会社ベインキャピタル傘下の投資会社BCJ-44は、51.61%買い増し、保有割合を73.94%に高めた。
TOBに応じたシンガポールの投資会社エフィッシモ キャピタル マネージメント ピーティーイー エルティーディーは、保有していた11.4%をすべて手放したほか、6月にニチイ学館副社長を退任した寺田大輔氏も、6.57%を保有していた同社株のうち6.54%を売却し、保有割合を0.03%に引き下げた。
8月3日に東京証券取引所マザーズ市場に新規上場したモダリスに対し、富士フイルム、ファストトラックイニシアティブ、SBIインベストメントなど個人を含む5者が5%以上を新規保有した。
モダリスは東京大学発ベンチャーで、遺伝子操作による新薬開発に取り組んでいる企業。上場日に6.34%を取得したSBIインベストメントは、1度売り、2度買い増し保有割合は9.03%に引き上げた。
一方、8.36%を取得した富士フイルムは、その後2度売り、保有割合を4.18%に引き下げたほか、ファストトラックイニシアティブも8.06%を取得後2度売り、保有割合を4.73%に引き下げた。
2020年8月の大量保有報告書の提出件数は945件で、このうち保有割合を増やしたのが264件、新規保有が177件、保有割合を減らしたのが416件、契約の変更などが82件だった。
文:M&A Online編集部
日本での活動を消極化させているように見えるRMB Capital Managementは、今後どのような動きにでるのだろうか。大量保有報告書の提出内容を分析してみると、戦略の一端が見えてくる。
2019年8月の大量保有報告書の提出件数は864件で、保有割合の増加と新規の合計が減少を33件上回わり、5カ月ぶりに反転した。
3月の大量保有報告書の提出件数は1076件で、このうち株式の保有割合を増やしたのが328件、新規保有が217件、減少が464件となり、増加と新規の合計が、減少を81件上回った。