独自の日本株戦略を持つRMB Capital Managementとは
日本での活動を消極化させているように見えるRMB Capital Managementは、今後どのような動きにでるのだろうか。大量保有報告書の提出内容を分析してみると、戦略の一端が見えてくる。
2020年1月の大量保有報告書の提出状況を調べたところ、旧村上ファンド系の投資会社、シティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛け、3月4日まで買い付けを行っている東芝機械<6104>について、2件の大量保有報告書の提出があった。
シティインデックスイレブンスの親会社であるオフィスサポート(東京都渋谷区)が、2020年1月21日(報告義務発生日は1月14日)に0.94%買い増し保有割合を10.13%に高めたほか、ブラックロック・ジャパンが2020年1月22日(同1月15日)に5.13%を新規保有した。
オフィスサポートは2018年12月14日(同 12月7日)に、5.32%を新規保有したあと6度買い増しており、TOBを発表した2020年1月21日時点では、関係先企業のエスグラントコーポレーション(東京都渋谷区)と合わせ、12.75%を保有している。
このほか前田建設工業が持ち分法適用関連会社の前田道路の子会社化を目的に敵対的TOBを仕掛けたが、両社に関する大量保有報告書の提出はなかった。
【オフィスサポートによる東芝機械株の保有状況】
報告義務発生日 | 提出日 | 保有割合(%) | 増減(%) | |
---|---|---|---|---|
1 |
2020/01/14(火) |
2020/01/21(火) |
10.13 |
0.94 |
2 |
2019/11/29(金) |
2019/12/06(金) |
9.19 |
1.06 |
3 |
2019/11/21(木) |
2019/11/28(木) |
8.13 |
1.15 |
4 |
2019/08/28(水) |
2019/09/04(水) |
6.98 |
1.12 |
5 |
2019/07/02(火) |
2019/07/09(火) |
5.86 |
-1.19 |
6 |
2019/05/01(水) |
2019/05/13(月) |
7.05 |
0.56 |
7 |
2018/12/21(金) |
2019/01/04(金) |
6.49 |
1.17 |
8 |
2018/12/07(金) |
2018/12/14(金) |
5.32 |
0 |
旧村上ファンド系のレノが臨時株主総会でレノが推薦する取締役1人の選任を求めているレオパレス21については6件の提出があった。メリルリンチ日本証券、みずほ証券の2社が新規保有したあと、そろって売りに転じたほか、モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インターナショナル・ピーエルシー、モルガン・スタンレーMUFG証券も保有割合を引き下げた。レノには動きがなかった。
従業員による買収(EBO)と、米投資会社フォートレス・インベストメント・グループによるTOBが並行して進んでいるユニゾホールディングスについては、4件の提出があった。
ジェー・ピー・モルガン・アセット・マネジメント(ユーケー)リミテッドが5.48%を新規保有したあと、保有割合を0.6%引き下げたほか、エリオット・インターナショナル・エルピーが保有する13.14%すべてを手放し、その分をエリオット・インベストメント・マネージメント・エルピーが新規保有した。
1月の大量保有報告書の提出件数は913件で、このうち保有割合を増やしたのが228件、新規保有が135件、保有割合を減らしたのが460件、契約の変更などが90件だった。
【レオパレス21株の保有状況】
報告義務発生日 | 提出日 | 保有者 | 保有割合(%) | 増減(%) |
---|---|---|---|---|
2020/1/15 |
2020/1/22 |
メリルリンチ日本証券 |
0.38 |
-4.67 |
2020/1/15 |
2020/1/22 |
みずほ証券 |
2.93 |
-4.41 |
2020/1/15 |
2020/1/22 |
モルガン・スタンレーMUFG証券 |
0.35 |
-7.26 |
2019/12/31 |
2020/1/10 |
みずほ証券 |
7.34 |
0 |
2019/12/31 |
2020/1/10 |
メリルリンチ日本証券 |
5.05 |
0 |
2019/12/31 |
2020/1/10 |
モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インターナショナル・ピーエルシー |
7.61 |
-1.12 |
【ユニゾホールディングス株の保有状況】
報告義務発生日 | 提出日 | 保有者 | 保有割合(%) | 増減(%) |
---|---|---|---|---|
2020/1/15 |
2020/1/21 |
ジェー・ピー・モルガン・アセット・マネジメント(ユーケー)リミテッド |
4.88 |
-0.6 |
2020/1/1 |
2020/1/10 |
エリオット・インベストメント・マネージメント・エルピー |
13.14 |
0 |
2020/1/1 |
2020/1/10 |
エリオット・インターナショナル・エルピー |
0 |
-13.14 |
2019/12/31 |
2020/1/8 |
ジェー・ピー・モルガン・アセット・マネジメント(ユーケー)リミテッド |
5.48 |
0 |
文:M&A Online編集部
日本での活動を消極化させているように見えるRMB Capital Managementは、今後どのような動きにでるのだろうか。大量保有報告書の提出内容を分析してみると、戦略の一端が見えてくる。
2019年8月の大量保有報告書の提出件数は864件で、保有割合の増加と新規の合計が減少を33件上回わり、5カ月ぶりに反転した。
3月の大量保有報告書の提出件数は1076件で、このうち株式の保有割合を増やしたのが328件、新規保有が217件、減少が464件となり、増加と新規の合計が、減少を81件上回った。
JPモルガン・アセット・マネジメントが2018年1月1日から2018年11月7日までに提出した大量保有報告書の件数が、2017年(1月1日―12月31日)の2.2倍に達していることが分かった。