中小PMI指針で「維持型」の取り組み重視へ

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経済産業省・中小企業庁は11月22日、「中小PMIガイドライン(仮称)策定小委員会」(座長・松中学名古屋大学大学院法学研究科教授)の第2回会合を開いた。中小M&A実施後の経営統合(PMI)に関する新たな指針づくりを目指す中で、小規模M&Aにおける事業の継続性を確保する「維持型PMI」の実施体制などを論議した。

譲渡側との信頼関係構築で事業の継続性を確保

小委員会事務局の中小企業庁財務課によると、「維持型PMI」の重要性は小規模M&Aの譲受側企業に対するヒアリングで把握。これらの企業からは、譲渡側企業の経営者や従業員などとのコミュニケーション、信頼関係の構築に苦労したとの声が寄せられた。

事業の継続性を確保するための重要なテーマとしては、
1.経営の方向性の確立
2.関係者との信頼関係の構築
3.事業の現状把握と運営・改善を盛り込むための議論
が挙げられた。

譲渡側経営者の退任で失われる「会社のコア」を再構築して強みを発揮できる環境を整え、M&Aによって生じる変化への対応を事業改善の好機とするのが狙い。

取り組みの事例やスケジュールも記載

また、ガイドラインには取り組みのゴールと失敗例を記載し、維持型PMIの意義について理解を促進する方針が打ち出された。さらに、取り組みのポイントと事例も紹介することで具体的な行動を促すとし、取り組みの際の大まかなスケジュールを示す中ではM&A成立前に実施すべき事業の現状把握の重要性にも言及するのが望ましいとした。

事務局では「小規模M&AのPMIは譲受側、譲渡側ともに人員に余裕がなく、取り組みがおろそかになることも少なくない。M&Aを通じて譲受側が達成したいことを経営の方向性として説明できるように言語化して伝えることで、社内外の関係者との信頼関係を構築するための礎とする」としている。

次回会合は12月23日を予定

この日の会合では、決裁フローや資金管理、人事・労務関係といった重要事項における課題と現状把握の方法、中小企業等のM&Aでガイドすべき事項の考察に関する資料なども確認した。

小委員会は10月5日、既存の「事業承継ガイドライン改訂検討会」の下に新設され、中小M&Aの効果を最大化するためのPMIの在り方や進め方を論議している。次回会合は12月23日の予定で、2022年2月頃までに計5回の会合を重ねて中小PMIの新たなガイドラインを取りまとめる。3月上旬に開かれる検討会の場で最終決定する見通し。

文:M&A Online編集部

関連リンク:
中小企業庁:中小PMIガイドライン(仮称)策定小員会(第2回) 配布資料 (meti.go.jp)
M&A実施後の経営統合に関する指針策定に向けて第1回中小PMIガイドライン(仮称)策定小委員会を開催します (METI/経済産業省)

M&A Online編集部

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