「M&A支援機関」不適切対応の情報受付窓口を設置-中小企業庁

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※画像はイメージです

中小企業庁は11月12日、M&A支援機関登録制度の創設に伴う専用の情報提供受付窓口を設置した。支援機関である専門業者などが契約相手の中小企業者に取った不適切なサポート対応を一元的に可視化・共有し、登録制度の円滑な運用に役立てるのが狙い。

登録制度は、中小企業が安心してM&Aに取り組める基盤づくりが狙い。中小企業庁が4月に取りまとめた中小M&A推進計画で創設方針が明記された。運用を開始した8月24日から9月21日まで、ファイナンシャルアドバイザー(FA)と仲介業者を対象に支援機関を公募したところ、税理士や公認会計士などを含む計2278件の申請が認められた。

個人事業主や経験が浅い支援機関も多数

申請が活発だった背景には、国の事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)におけるM&A仲介手数料などの補助対象が、制度に登録した支援機関によるサポートのみに制限されたことなどがある。10月15日には支援機関を検索するためのデータベースも公開され、大規模な登録制度が中小M&A市場の活性化を推進する効果が期待されている。

一方、支援機関の70%近くに達する1563件はM&A支援業務の専従者数が0~2人と極めて少なく、9人以下の割合が95.4%(2174件)を占める。設立年代は42.5%(969件)が2010年代で、さらに実務経験が浅い2020年代も43.3%(988件)に上る。また、全体の25.3%(578件)が法人格を持たない個人事業主となっている。

提供情報は中小企業者への注意喚起などに活用

情報提供受付窓口は紛争処理や助言が目的ではないため、トラブルに関する質問への回答などもしないが、他の中小企業者への注意喚起に有用と判断された事例は、情報提供者が特定されない形で公表する予定。問題を指摘された支援機関が国の中小M&Aガイドライン順守などの登録要件を満たしているかどうかを確かめる際の参考情報としても用いられる。

情報提供は、M&A支援機関登録事務局がメールか電話で受け付ける。なお、支援機関は顧客の中小企業者などが窓口に情報を寄せた場合も、M&A時の秘密保持義務契約違反を理由とした訴訟提起などは行わないことを誓約している。

文:M&A Online編集部

関連リンク:
中小企業庁:M&A支援機関に係る情報提供受付窓口の設置について (meti.go.jp)
情報提供受付窓口 | M&A支援機関登録制度 (ma-shienkikan.go.jp)

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