M&A支援機関の登録制度、8月中旬に運用開始へ

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中小企業庁(東京・霞が関)

専門事業者などを公募

中小企業庁は8月中旬から、M&A支援機関の新たな登録制度を運用する。中小企業が安心してM&Aを活用できる基盤づくりの一環で、制度の運用開始に合わせ、登録を希望するM&A専門事業者(仲介業者・ファイナンシャルアドバイザー)や金融機関、商工団体、士業等専門家、M&Aプラットフォーマー、事業承継・引継ぎ支援センターなどの公募も始める。

登録機関は事業承継・引継ぎ補助金の対象に

2021年度中の登録制度創設は、中小企業庁が4月に取りまとめた「中小M&A推進計画」に盛り込まれた。この中で、国の事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用型)におけるM&A支援機関の活用で生じる仲介手数料などの補助は、あらかじめ登録された機関が提供する支援のみを対象とすることを明記。登録機関による支援をめぐる問題などを抱える企業側からの情報提供を受け付ける窓口を設けることも示された。

登録要件などの詳細は公募開始時に公表予定だが、M&A事業者などの適切な行動指針を表した国の中小M&Aガイドラインで定められた契約や交渉、デューデリジェンス(DD)実施などに関する項目の順守を宣言することが規定されている。登録機関は毎年度の実績報告などを提出し、要件を満たさないと判断されれば有識者委員会に諮った上で登録を取り消す。

初年度の登録申請の受け付けは9月中旬に締め切られる予定で、登録機関は同下旬までに公表される見通し。なお、2021年度当初予算に計上された事業承継・引継ぎ補助金の公募開始は9月下旬のスケジュールとなっている。

M&A業界の自主規制団体設立も

中小M&A推進計画では、中小M&Aは年間3000~4000件程度実施されていると推計。さらに、潜在的な譲渡側の企業は57.7万者に上ると試算している。2021年版の中小企業・小規模企業白書によると、2020年の休廃業・解散件数は2年ぶりに増加。2000年の調査開始以来最多の4万9698件に達し、経営資源の散逸防止が急務となっている。

こうした中、2000年に67者だったM&A専門事業者やプラットフォーマーの数も2020年に5倍超の370者まで増えたが、顧客の利益に反する契約を促す事例も見受けられる。登録制度は良質な専門事業者などを判別しやすくすることでスムーズな事業承継を促す狙いがあり、2021年度はM&A業界の健全な発展と中小企業の保護を目指した自主規制団体も設立される予定。

文:M&A Online編集部

関連リンク:
・M&A支援機関に係る登録制度概要(経済産業省/中小企業庁)
・中小企業の経営資源集約化等に関する検討会取りまとめ(中小企業庁)

M&A Online編集部

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