NEXT STORY
「事業承継マッチング支援」申し込みが前年度比5倍に-日本公庫
日本政策金融公庫が実施している2021年度上半期(4~9月)の「事業承継マッチング支援」の申し込み数が、前年度の年間実績と比べて約4.8倍の1808件に上った。
東京商工会議所は11月1日、「東京都事業承継・引継ぎ支援センター」2021年度上半期(4~9月)の相談実績を公表した。総相談件数、成約件数とも前年度同期実績を大きく上回り、新型コロナウイルス感染拡大前と同等か、それ以上の水準まで持ち直した。
2021年度上半期の新規相談社数は前年度同期比158件、43%増の518社。2020年度上半期は新型コロナウイルス感染拡大の影響で360社に落ち込んでいたが、コロナ禍以前の2019年度上半期実績(453社)も超えた。2回目以降の継続案件を含めた総相談件数(693件)も前年度同期比164件、31%の伸びとなった。
総相談件数の内訳は、譲渡(売り手)が267社、譲受(買い手)は410社だった。譲渡関連相談企業の49%は売上高が1億円以下で、74%は3億円以下が占めたことから、小規模企業においても第三者承継に向けた動きが浸透している状況が見て取れる。
また、譲受関連相談企業の売上高は1億円以下が23%で、10億円超も22%に上った。さらに、起業したばかりで売上高のデータがない新設企業などが31%に達した。
2021年度上半期の成約件数は前年度同期比10件、21%増の56件で、2019年度上半期と比べても21件の上積みとなった。譲渡を希望する相談社の小規模化が進む中、同センターは「成約した譲渡側企業も売上高3億円以下が7割以上を占める」としている。
経済産業省が47都道府県に設置した事業承継・引継ぎ支援センターは、第三者承継支援の「事業引継ぎ支援センター」と親族内承継支援の「事業承継ネットワーク」の機能を統合し、2021年4月から活動。コロナ禍の中、2020年に過去最多の4万9698件(東京商工リサーチ調べ)に膨らんだ企業の休廃業・解散に歯止めを掛けることが期待されている。
文:M&A Online編集部
これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。
日本政策金融公庫が実施している2021年度上半期(4~9月)の「事業承継マッチング支援」の申し込み数が、前年度の年間実績と比べて約4.8倍の1808件に上った。