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【公認会計士監修】三角合併(さんかくがっぺい)|手法解説

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通常の合併では、消滅会社の株主には、今まで保有していた消滅会社の株式が無効となる代わりに、存続する会社の株式が交付されますが、三角合併の場合は、消滅会社の株主に存続会社の株式ではなく、その親会社の株式を交付します。

【図解2】通常の合併の場合

三角合併のメリットは、子会社の出資比率を維持したまま合併できる点です。通常の合併では、存続会社の株式を消滅会社の株主に割当てますが、これでは出資比率が100%を割り込んでしまいます。これでは戦略上、100%子会社にしておきたい場合に困ってしまいますね。

そこで考案されたのが三角合併です。子会社が合併するときに、子会社の株式の代わりに自社(親会社)の株式を交付するのです。これなら子会社の出資比率を維持したまま合併することが可能です。

三角合併のメリットはほかにもあります。実は外国企業が現金を使わずに日本企業を買収できるようになるのです。先ほどの例のように日本法人を設立した上で合併すると、出資比率が100%を割り込んでしまいます。

外資脅威論をもたらした三角合併

三角合併が解禁になることで、当時「外資脅威論」が話題となりました。海外では時価総額が圧倒的に大きな企業がいくつもあり、多くの国内の優良企業が外資の傘下に入ってしまうのではないか、敵対的買収が増えるのではないかと懸念されました。

当時は三角合併の解禁で「外資脅威論」が話題に

しかし三角合併が解禁になっても、国内でこうした騒動はおきませんでした。というのも三角合併を実施する際には、株主総会にかける前に取締役会の承認が必要だからです。つまり、相手方の取締役会がノーといえば、株主総会の議案に上げられず、合併することができません。

また合併手続きには、原則として吸収される会社(消滅会社)でも株主総会特別決議(3分の2以上の賛成)が必要となるため、必ずしも資金力のある外国企業が日本企業を簡単に買収することは難しいのです。

※通常の合併は、こちらの記事をお読みください。

この記事は、公認会計士の監修のもと作成しております。

監修:公認会計士・税理士 高野新也/編集:M&A Online編集部

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