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第三者割当増資で起こる「株式の希薄化」とは?しっかり学ぶM&A基礎講座(69)

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潜在株式希薄化効果

希薄化は、ストックオプションなどの新株予約権が行使されたときや転換証券が転換された時にも生じます。そのため、将来的に普通株式を取得する権利などが付された契約や証券は「潜在株式」と呼ばれ、有価証券報告書では一定の情報開示が要求されます。

具体的には、このような潜在株式希薄化効果を有する場合、通常開示されている「1株当たり当期純利益」に加え「潜在株式調整後1株当たり当期純利益」を開示することになります。また、その算定上の基礎も合わせて記載されます。

増資を検討する場合、ともすれば増資を実施する企業側と増資を引き受けてくれる投資家側との二者関係のみを考えがちです。しかし、実際には既存株主の利害にも大きく影響することを忘れてはなりません。希薄化がどのような効果をもたらすのか既存株主の視点で考え直してみることも必要となるのです。

文:北川ワタル

北川 ワタル

経歴:2001年、公認会計士2次試験合格後、監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)、太陽監査法人(現太陽有限責任監査法人)にて金融商品取引法監査、会社法監査に従事。上場企業の監査の他、リファーラル業務、IFRSアドバイザリー、IPO(株式公開)支援、学校法人監査、デューデリジェンス、金融機関監査等を経験。マネージャー及び主査として各フィールドワークを指揮するとともに、顧客セミナー、内部研修等の講師 、ニュースレター、書籍等の執筆にも従事した。2012年、株式会社ダーチャコンセプトを設立し独立。2013年、経営革新等支援機関認定、税理士登録。スタートアップの支援からグループ会社の連結納税、国際税務アドバイザリーまで財務会計・税務を中心とした幅広いサービスを提供。

学歴:武蔵野美術大学造形学部通信教育課程中退、同志社大学法学部政治学科中退、大阪府立天王寺高等学校卒業(高44期)

出版物:『重要項目ピックアップ 固定資産の会計・税務完全ガイド』税務経理協会(分担執筆)、『図解 最新 税金のしくみと手続きがわかる事典』三修社(監修)、『最新 アパート・マンション・民泊 経営をめぐる法律と税務』三修社(監修)など

北川ワタル事務所・株式会社ダーチャコンセプトのウェブサイトはこちら


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