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「休眠会社を買収するメリットとは?」しっかり学ぶM&A基礎講座(10)

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休眠会社のメリットその3(許認可について)

すでに許認可を持っている休眠会社を買収することで、許認可を新たに取得するためのコストや時間を節約できるというメリットが考えられる。また、許認可だけでなく、有力企業との取引口座を持っているような休眠会社を活用することも想定される。

ただし、そのような目的で休眠会社を買収すること自体が潜脱行為として各種の業法やその他の法律に抵触しないか十分に留意する必要がある。

休眠会社の整理について

2017年10月12日、法務省が休眠会社などの整理作業を行う旨の公告を行った。ここでいう休眠会社は冒頭で説明した会社法上の休眠会社である。

法務省では従来から12年以上登記がされていない株式会社などに対して「みなし解散」という作業を行っている。具体的な流れとしては、法務大臣による公告がなされた後、対象となった会社には登記所から通知が送付される。そして対象会社が新たな登記あるいは「まだ事業を廃止していない」旨の届出をしない場合には、登記官が職権で解散の登記などをすることになる。

1974年から2002年まではおよそ5年に一度のペースでみなし解散の手続が実施されていた。その後、2006年に会社法が施行されたことに伴い、2014年度から再び、みなし解散の手続が開始された。なお、2008年には商業登記がすでに電子化されていたこともあり、2014年度以降のみなし解散の手続は毎年実施されることとなっている。

このように休眠会社を整理する目的は、実態のない会社を解散登記することにより、商業登記制度に対する国民の信頼を確保することにある。休眠会社を買収するケースは、ほとんどの場合、本来の目的外の会社利用となるか実態にそぐわない取引を生じさせるものといえよう。休眠会社の整理はそうした状況を排除することにも寄与しそうである。

 文:北川 ワタル

北川 ワタル

経歴:2001年、公認会計士2次試験合格後、監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)、太陽監査法人(現太陽有限責任監査法人)にて金融商品取引法監査、会社法監査に従事。上場企業の監査の他、リファーラル業務、IFRSアドバイザリー、IPO(株式公開)支援、学校法人監査、デューデリジェンス、金融機関監査等を経験。マネージャー及び主査として各フィールドワークを指揮するとともに、顧客セミナー、内部研修等の講師 、ニュースレター、書籍等の執筆にも従事した。2012年、株式会社ダーチャコンセプトを設立し独立。2013年、経営革新等支援機関認定、税理士登録。スタートアップの支援からグループ会社の連結納税、国際税務アドバイザリーまで財務会計・税務を中心とした幅広いサービスを提供。

学歴:武蔵野美術大学造形学部通信教育課程中退、同志社大学法学部政治学科中退、大阪府立天王寺高等学校卒業(高44期)

出版物:『重要項目ピックアップ 固定資産の会計・税務完全ガイド』税務経理協会(分担執筆)、『図解 最新 税金のしくみと手続きがわかる事典』三修社(監修)、『最新 アパート・マンション・民泊 経営をめぐる法律と税務』三修社(監修)など

北川ワタル事務所・株式会社ダーチャコンセプトのウェブサイトはこちら


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