2.株式交換契約書作成時の注意点

以下では、株式交換契約書を作成する際の注意点を解説します。

2-1.法律上必ず記載しなければならない事項

株式交換契約書には、必ず記載しなければならない事項が法定されています(会社法768条)。

具体的には、以下の6つです。

①当事者双方の商号と住所
当事者双方の商号と本店所在地を記載します。当書式では2条に書かれています。

親会社が子会社の株主に対し、株式に替えて金銭を交付する場合にはその金額や算定方法
株式交換では親会社が子会社の株主へ、親会社の株式の交付の代わりに金銭を交付することができます。その場合、金額や算定方法を書かねばなりません。当書式では9条2項に書かれています。

親会社が子会社の株主に金銭を交付する場合、その割り当てに関する事項
上記のように、親会社が子会社の株主へ金銭交付を行う場合、どのように割り当てるのか明らかにする必要があります。当書式では9条2項に書かれています。

親会社が子会社の新株予約権者に親会社新株予約権を交付する場合には、その新株予約権の内容と数または算定方法
子会社に新株予約権者がいる場合、親会社は子会社の新株予約権付き株式を回収するのと引換に親会社新株予約権を交付します。そのときには新株予約権の内容と数、または計算方法を書かねばなりません。新株予約権者がいない場合、この条項は不要です。当書式でも新株予約権者がいない前提なのでこの条項は入っていません。

親会社が子会社の新株予約権者に親会社新株予約権を交付する場合、新株予約権の割り当てに関する事項上記の場合、新株予約権の割り当てについても明確にする必要があります。

株式交換の効力発生日
契約書において、株式交換の効力発生日を明らかにする必要があります。当書式では3条に記載されています。

2-2.定めておいた方が良い事項

以下で、定めておいた方が良い事由について解説を加えていきます。

株主総会について
株式交換をするときには、親会社、子会社とも株主総会における決議が必要です。甲乙それぞれが株式交換日までに株主総会を開催して承認決議を得るよう定めましょう。

保証表明
株式交換の際には、お互いの財務状況などについて正確に把握しておく必要があります。そのため相手方に提出している財務諸表関係の資料の内容が真実であり正確であることなどを保証・表明します。

役員の待遇
株式交換をした場合、株式交換日前に選任された取締役の任期がいつまでとなるのかも明らかにすべきです。書式では「従来の予定と変更しない」内容にしています。

定款変更
株式交換に伴って定款変更を要するケースが多いので、定款変更についての条項を入れましょう。

解除
相手方の債務不履行や天変地異などの不可抗力、財務状況の極端な悪化などの事情があれば、株式交換契約を解除できると定めておきます。

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上記の株式交換契約書は一例であり、実際には個別のケースに応じてアレンジする必要があります。今後M&Aを行う際の参考にしてみてください。

※ 上記はあくまでサンプルです。事案により内容は変わります。

文:福谷陽子(法律ライター)/編集:M&A Online編集部