遺言能力とは、遺言をすることのできる能力のことをいい、民法では遺言者が満15歳以上で、遺言をするときにおいて能力を有していれば遺言をすることができるとしています。この能力とは意思能力のことを指すものと考えられています。

一般の法律行為では、民法では、未成年者、成年被後見人、被保佐人及び被補助人といった制限行為能力者の規定を定め、判断能力を有しない者を保護していますが、遺言に関しては、これらの規定は適用されません。

ただし、成年被後見人が遺言をする場合には、自筆証書遺言、公正証書遺言などの各遺言の要件を満たすと同時に、
次の要件を満たす必要があります。

(1)事理を弁識する能力を一時的に回復した時点で遺言を作成する。
(2)医師2名が立ち会う。
(3)遺言に立ち会った医師が、遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記して、これに署名し、押印する。ただし、秘密証書による遺言にあっては、その封紙にその旨の記載をし、署名し、押印する。

被保佐人の場合は、上記の成年後見人のような制限はありませんが、 遺言の有効性を疑われないため、成年被後見人の遺言手続に従って作成しておくこと、遺言の有効性を裏付ける証拠を集めておくことなどが必要になると考えられます。

文:司法書士法人・行政書士法人 星野合同事務所 メルマガVol.100 2015.10.30より転載