引退後も利益を享受し会社を操った、ひらまつ創業者の影の支配力

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高級外車ベントレーやマンションを私物化

ベントレー
画像はイメージ(Photo by GAHAG)

更に、平松氏は会社を私物化するようにもなりました。

平松氏が代表取締役だった頃に社用車としてベントレーを購入しています。2016年にひらまつ総合研究所にベントレーは譲渡されたものの、名義変更が行われないまま放置。平松氏はベントレーを自分の車として扱っていました。また、平松氏が個人資産として購入した箱根・札幌・金沢のマンションを2017年2月にひらまつに売却しました。しかし、平松氏は引き渡し後も鍵を保有してマンションを使用していました。

平松氏の妻とも雇用契約が結ばれていました。月額報酬は191万6,666円。業務内容は事業所運営管理業務となっていますが、勤務月報やタイムカードは提出しておらず、調査報告書では業務内容に対する報酬額の妥当性を疑問視しています。

ひらまつは2016年ごろからホテル開発を本格化。ひらまつ総合研究所にもホテル開発に関わるコンサルティング費用などが支払われるようになりますが、2016年を境に肝心の業績は落ち込んでいます。注目したいのは、総資産回転率と総資産利益率(ROA)。総資産回転率は0.8からホテル開発を本格化して0.5へと減少しました。更に、11%を超えていたROAは0.3%程度まで落ち込んでしまいます。すなわち、ホテル開発で固定資産が膨らんでも、稼ぐ力がついていないのです。

■ひらまつ業績推移(単位:百万円)

  2015年3月期 2016年3月期 2017年3月期 2018年3月期 2019年3月期 2020年3月期
売上高 11,329 11,815 11,507 11,642 10,948 9,887
経常利益 2,776 2,353 1,911 1,521 663 △39
純利益 1,791 1,577 1,115 1,066 75 △1,953
総資産 16,154 15,167 20,143 22,875 21,873 21,592
総資産回転率 0.7 0.8 0.6 0.5 0.5 0.5
ROA 11.1% 10.4% 5.5% 4.7% 0.3% -

※有価証券報告書をもとに筆者作成

その一方で、ひらまつ総合研究所が受け取っていたコンサルティング費用は巨額です。

■ひらまつ総合研究所の各業務委託費

店名 設計業務委託費 開発・運営業務委託費
ホテル仙石原(新館) 7,400万円 月100万円
ホテル役行者 1億8,400万円 月300万円
ホテル軽井沢 3億1,000万円 月300万円(2020年4月から600万円に増額)
ホテル岡﨑 1億3,600万円 月200万円(2020年4月から300万円に増額)

ひらまつは成長戦略の柱としていたホテル開発の中止を決定しています。

平松氏は依然として10%超の株主として残っており、新経営陣と平松氏との軋轢は今後も継続するものと予想されます。訴訟によってブランドイメージが悪化する懸念もあり、ひらまつはこの問題の早期解決とコロナ禍を乗り越える戦略を練らなければなりません。

文:麦とホップ@ビールを飲む理由

麦とホップ @ビールを飲む理由

しがないサラリーマンが30代で飲食店オーナーを目指しながら、日々精進するためのブログ「ビールを飲む理由」を書いています。サービス、飲食、フード、不動産にまつわる情報を書き込んでいます。飲食店、宿泊施設、民泊、結婚式場の経営者やオーナー、それを目指す人、サービス業に従事している人、就職を考えている人に有益な情報を届けるためのブログです。やがて、そうした人たちの交流の場になれば最高です。 ブログはこちら 「ビールを飲む理由」 


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