28億3800万円の減損損失をした幸楽苑

日高屋は売上、利益ともに順調に成長しています。

一方、利益が出にくくなっていた幸楽苑は、不採算店の退店や、減損損失を計上して立て直しを図りました。それが2018年3月期です。この時に専務取締役の退任や執行役員の退職などを行い、経営体制も一新しています。さらに、2018年11月には新社長として新井田昇氏が就任しました。

経営のテコ入れ効果により、幸楽苑の売上は日高屋に肩を並べるまでになりました。しかし、利益にはまだまだ大きな開きがあります。


※単位:百万円

幸楽苑2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期
売上高 38,206 37,803 38,576 41,268 42,000
営業利益 874 147 -72 1,636 2,100
経常利益 858 330 -114 1,587 2,000
純利益 133 154 -3,225 1,009 1,100


ハイデイ日高2016年2月期2017年2月期2018年2月期2019年2月期2020年2月期
売上高 36,796 38,514 40,643 41,862 43,500
営業利益 4,332 4,564 4,679 4,729 4,800
経常利益 4,254 4,567 4,599 4,697 4,730
純利益 2,758 2,916 3,021 3,081 3,115

有価証券報告書より筆者作成

総資産を営業利益で割ったROAで見ると、幸楽苑は2016年の3.7%から9%まで上げています。減損損失の膿み出し効果により、経営指標は改善されました。しかし、日高屋は15.4%です。8%が目安と言われていますので、日高屋が非常に効率的な経営を行っていることがわかります。

1店舗あたりの売上、営業利益を比較すると、両社の違いは一層明確になります。日高屋は売上で2000万円、利益で800万円ほど上回っています。

※単位:百万円

幸楽苑/1店舗あたり2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期
売上 72.1 69.2 71.7 77.4
営業利益 1.6 0.3 -0.1 3.1
ハイデイ日高/1店舗あたり2016年2月期2017年2月期2018年2月期2019年2月期
売上 92.7 95.1 98.4 97.6
営業利益 10.9 11.3 11.3 11.0


実は、2社は原価率にはほとんど差はありません。日高屋が27.2%、幸楽苑が27.6%です(過去4年の原価率平均で算出)。

幸楽苑は全国的な認知度を獲得するため、テレビCMなどの販促活動に費用を投じています。また、地方に出店する幸楽苑は店舗管理などの人件費もかかります。販管費がどうしてもかかるのです。

その一方で、都市部を中心に出店する日高屋は、販促費を絞り込んでも集客できます。都市部に集中しているので、店舗管理にもさほど力がかかりません。

この出店戦略の違いが、両社の業績にこうも違いを生んでいるのです。

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