入国管理局(入管)へ届ける義務

「M&A、事業譲渡吸収合併などによる企業側の変更事項は、外国人を雇用している場合、入国管理局(入管)へ届ける義務があります。ですが、努力義務となっています」(立川康夫氏、以下同)

ー努力義務、ということは、企業側はなにもしなくてもいいのでしょうか。

「在留許可の更新は本人の問題ですが、企業側でもサポートをしてあげるべきだろうと思います。努力義務とはいえ入管にはしっかり説明をしておくほうがいいですし、外国人受け入れ先企業としての信用を保つためにも役立ちます」

「たとえば、リストラによって解雇となったときは、日本人従業員同様にハローワークに離職の手続きをすることになります。この情報は入管にも伝わるので、それ以上は企業側ではすることはありません。」

「所属機関(受け入れ先の企業)が事業譲渡吸収合併などで消滅したとき、残留資格の更新時に困るのは外国人である本人です。最初の許可を得たときと違ってきますので、企業側でもできる限りのサポートをしてほしいところです」

「説明のための資料を提供したり、あらかじめ入管へ事業の変更があったことを説明しておくといったことが考えられます。」

“庁”への格上げの前に、東京・名古屋の入管は大混雑

ーとはいえ、現在、とくに東京と名古屋の入管は大混雑していることでも知られています。

「電話はほとんどつながりません。6時間待たされた例も珍しくないので、相談に行くのも大変ですが、審査官に相談をすることはとても重要なことですから、ぜひ労務担当の管理職、外国人労働者の直属の上司は、事業内容の変更などを含めて相談に行っていただきたい」

「2019年4月には、法務省の入国管理局(入管)は、出入国在留管理庁(入管庁)に格上げされます。ただ、格上げされたからといって、混雑解消になるほど人員増となるわけではありません。」

「審査官は要件を満たしていれば、当然に許可する気持ちでいるので、相談すればいろいろなヒントもいただけます。会社の人が直接相談に行けないときは、入管に詳しい行政書士に代行してもらう方法もあります」

「入管などによる研修を受けた申請取次行政書士は、さまざまなケースを審査官に相談していることもあり、スムーズに進む可能性が高いのです。」

「東京、名古屋では、通常1~3か月の標準処理時間とされているものの、呼び寄せる場合には3か月、さらには半年かかるケースも出ていますので、企業側では少しでも早く許可が出るように対応する必要があります」