元メガバンク行員が語る…銀行でM&Aを行う法人営業部とは、支店との違いは?

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写真はイメージです

M&Aの相談を銀行にする際に、銀行と取引がある経営者であれば、よくお分かりだと思うが、メガバンクの場合は、支店ではなく法人営業部に行うのが一般的だ。

法人営業部とは、その名の通り、法人を対象とする営業部隊。街中にある支店とは違う部署なのだ。

そこで今回は、銀行でM&Aを相談する際、利用する法人営業部について説明をする。支店との違いについても説明するので参考にしてほしいほしい。

法人営業部は銀行の“花形部署”

銀行の組織は、大きく分けて、個人の顧客を相手にする支店と、法人顧客を相手にする法人営業部に分かれる。

一般の方が、銀行と聞くと支店をイメージされる方が多いと思うが、個人顧客は法人顧客に比べ収益が稼げないため、銀行の花形部分はあくまで法人営業部になるのだ。

法人営業部に配属されるためには、英語力や、難関大学を卒業していることが一般的には必要になる。もちろん能力があれば大学名は関係ないが、一般論として、難関大卒業している人が圧倒的に多い。

一方、支店の場合は、英語力が求められることはない。学力についても、一般的に法人営業部の方が高い水準を求められるのが一般的だ。

このように、メガバンクの法人営業部に所属するためには、高い能力が必要とされる。当然、銀行の花形部門であるため給料も高く、高い目標が求められる部署でもあるのだ。

法人営業部の仕事とは?

このように、銀行のエリートである人たちが所属する法人営業部であるが、一体どのような仕事をしているのだろうか。

法人営業部の主な仕事は3つに分かれる。
・融資
・クレジットカードや給料振り込みなどの基盤項目
・法人資産の運用

低金利が続き、大きな利ざやを取ることができないが、今も昔も、法人営業部の主な仕事は「融資」業務だ。いかに多くの融資を獲得するかによって、法人営業部の成績は決まってくる。

また、クレジットカードや給料振り込みなどの基盤項目も非常に重要だ。融資に比べて地味ではあるが、クレジットカードや給料振り込みといった基盤項目は、未来永劫銀行の収益に貢献してくれる可能性がある。

最近は、法人資産の運用についても非常に力を入れている。

例えば、担当法人に、投資信託や債券などを購入してもらうことによって評価されるのだ。このように、法人営業部には様々なミッションがあるが、これらをバランスよく行う必要がある部署になる。

では、法人営業部にとってM&Aは一体どのような位置づけにあるのだろうか?

多くの法人営業部ではM&Aの取り扱いは少ない

都心の一等地にある法人営業部は別だが、郊外や地方にある法人営業部の場合、ほとんどM&Aの取り扱いがない法人営業部もたくさんあるのが実態だ。

もちろん、法人営業部にとってM&Aには大きな収益源になるので取り組みしたいと思っているところが多い。しかし、規模が小さいと手間の割に収益を稼げないため、あまり積極的に取り組まないケースも多いのだ。

また規模が大きいM&Aの場合、本店にM&A専門部隊があるためそちらが担当するケースが多い。

まとめ

今回は、銀行のM&Aを担当する法人営業部について詳しく説明をした。銀行の花形部署であるため優秀な担当者が多く、銀行の稼ぎ頭である部門になる。

しかし、都心の一頭地にある法人営業部以外は、M&Aの取り扱いがほとんどないケースも多い。つまり、M&Aの知識があまりない法人営業部はたくさんあるのだ。銀行の法人営業部の実態について理解いただければ幸いだ。

文:渡辺 智(メガバンクに11年勤務。法人営業・個人営業に従事)

M&A Online編集部

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