熱海土石流事故で太陽光発電への「逆風」さらに強まる

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「自然にやさしい」はずの太陽光発電で、「自然破壊」の懸念が…(写真はイメージ)

「大規模集中」から「小規模分散」へのシフトが必要

太陽光発電の足元も、経営問題で揺さぶられている。帝国データバンクによると2021年上半期(1月~6月)の太陽光発電関連業者の倒産件数は前年同期比9.5%減の38件となったが、大型倒産が多発したことで負債総額は同441.6%増の503億7300万円と急増した。

3月にJCサービスが民事再生法で事実上倒産し、負債総額は約153億4200万円に上った。翌月には関連会社のグリーンインフラレンディングが破産し、負債総額約128億円に。このほかにも代表の逮捕で営業活動が停止しているテクノシステムなど、大手の経営破綻が目立つ。

これは太陽光発電ビジネスでM&Aが進み、中小事業者が集約されたためとみられる。事業者の経営規模が拡大したために倒産件数は減った半面、経営破綻が起これば負債総額が膨らむ構図だ。

今後、メガソーラーで効率よく利益を出す「大規模集中型」のビジネスモデルは、環境破壊の懸念から行政の審査が厳しくなるだろう。環境意識の高まりから成長した太陽光発電が、環境問題で成長を妨げられるという皮肉な結果になりつつある。

太陽光発電ビジネスは環境に負荷をかけない「小規模分散型」のビジネスモデルへの転換を迫られそうだ。これには「追い風」もある。大容量の定置式充電池が低価格化していることだ。

これにより昼間の余剰電力を電力会社に売電しなくても、自宅や自社で発電した電力を蓄えておき、いつでも使えるようになる。エネルギーの「地産地消」が太陽光発電が生き残るカギになりそうだ。

文:M&A Online編集部

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