止まらぬ円安、政府・日銀の介入はむしろ「逆効果」か?

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円安を食い止める妙手は?(写真はイメージ)

政策金利の引き上げは「諸刃の剣」

もう一つの方法は政策金利の引き上げだ。そもそも今回の円安の要因の一つとされているのが、日米の金利格差。日銀が「ゼロ金利政策」を取り止めて政策金利を米国以上に引き上げれば、円高に転換するはずだ。が、同135円を突破した。

まさにその日、黒田東彦日銀総裁が参院決算委員会で「金融緩和を粘り強く続け経済を支援する」とゼロ金利政策の堅持を表明。米国は今後もインフレを抑えるため、利上げに動くと見られている。日米の金利差はさらに拡大し、さらなる円安ドル高を招くことになるだろう。

とはいえ仮に日銀が政策金利を引き上げたとしても、円安を解消するのは難しいかもしれない。政策金利を引き上げれば景気が減速するからだ。国内景気の悪化は通貨安を招く。黒田総裁が利上げに慎重なのは、日本経済の悪化を懸念しているから。円安誘導のために利上げをしても、かえって円安を招き、そのうえ国内景気にブレーキがかかるようでは意味がない。

円高は「円が強すぎる」ことであり、ある意味「手抜き」をして弱体化すればよいから「楽」だ。半面、円安は「円が弱すぎる」ことなので「楽」はできない。「真剣な努力」をして、日本経済の力を引き上げるしかないのだ。

事実、通貨安で国内経済が破綻するデフォルト(債務不履行)を経験した国は、長い期間をかけて通貨を安定させた。通貨安を解消できていない国も少なくない。かつての「円高解消」のような短期間での解決は不可能と覚悟しておくべきだろう。「円安」解消の長い戦いは始まったばかりだ。

文:M&A Online編集部

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