新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大に伴う経営破綻(はたん)が、じわりと加速している。東京商工リサーチの調べによると、負債額1000万円超のコロナ関連破綻が2022年に入って4月18日までに576件あった。通年では2000件に迫るハイペースだ。
コロナ破綻は2020年に843件だったが、2021年には1718件に倍増した。2022年に入ってもオミクロン株による第6波で過去最大の感染者を出すなどコロナ禍は止まらず、1月、2月と連続して100件を超え、3月は過去最多の216件に達した。4月も18日までに94件の経営破綻が判明している。
金融機関によるリスケジュール(返済猶予)や政府主導の「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」などのコロナ支援策は続くものの、業績不振の長期化で過剰債務に陥る企業が増加。コロナ対策の「決定打」と目された2度のワクチン接種を完了した人ですら再感染するオミクロン株の流行で、コロナ禍が長引くリスクが高まっている。そのため資金ショートや先行き不透明感から、倒産や法的整理に歯止めがかからないのだ。
年 | 経営破綻件数 | 破綻件数累計 |
---|---|---|
2020年 | 843 | - |
2021年 | 1,718 | 2,561 |
2022年(4月18日まで) | 576 | 3,137 |
2020年から2022年4月18日までの経営破綻件数累計は3137件(うち倒産が2982件、弁護士一任・準備中が155件)となっている。都道府県別では東京都(663件)、大阪府(319件)、福岡県(155件)、愛知県(144件)、兵庫県(141件)、神奈川県(140件)、北海道(122件)、埼玉県(111件)の順で多かった。
業種別では飲食業(527件)、建設業(342件)、アパレル製造・販売(245件)、飲食料品卸売業(143件)、宿泊業(122件)の順。
従業員数別では従業員数(正社員)が判明した2967件中、従業員5人未満が1690件と、過半数を占めている。次いで5人以上10人未満が578件、10人以上20人未満が370件と、従業員数がより少ない小規模事業者でコロナ破綻が多発している。企業規模の小さい企業ほど破綻リスクが高いことが浮き彫りになった。
文:M&A Online編集部
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