ロシア進出上場企業168社中37社が事業を停止 

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ロシアのクレムリン(写真はイメージです)

ロシアに進出している国内上場企業168社(2022年2月時点)のうち、22%にあたる37社が2022年3月15日までにロシア事業の停止や制限などを行っていることが分かった。

帝国データバンクによる日本企業の「ロシア進出」状況調査で明らかになった。ロシアの軍事侵攻に伴う商品配送などのサプライチェーン面の混乱が事業停止の主な要因で、今のところロシア現地事業の完全撤退までには至っていないという。

ロシアのプーチン大統領は、ロシアでの事業の停止や撤退を決めた外国企業については、設備や資産を差し押さえ、ロシア寄りの経営者に事業継続を委ねることを検討していると伝えられている。

米国をはじめ日本などの西側諸国が実施しているロシアへの経済制裁によって、事業の継続が今以上に困難な状況に陥ることが見込まれるだけに、進出企業は今後、一段と難しい判断が求められることになりそうだ。

高い製造業の事業停止

事業を停止した37社の内訳は、製品の出荷などを含む「取引停止」が22社で最も多く、次いで現地工場の稼働停止などの「生産停止」の7社、店舗などの「営業停止」の4社の順となった。また37社のうち完成車や建設重機メーカーなどの「製造業」が28社を占めた。

さらに進出形態で見ると現地での販売拠点や駐在員事務所などの「オフィス 、店舗、販売拠点」が67%を占めており、「サービス拠点」は28%、「生産拠点」は18%だった。

ロシアに進出している全日本企業347社では「オフィス 、店舗、販売拠点」が77%を占め、「サービス拠点」は26%、「生産拠点」は15%で、上場企業の方が「生産拠点」を構える企業の割合が高く、影響が深刻化する懸念が高いと見られる。

さらに拡大の可能性も

ユニクロなどを運営するファーストリテイリングが、当初ロシア国内の店舗の営業を継続する方針を打ち出したことに対し批判が広がり、その後営業の一時停止に方向転換するなど、日本企業の対応に混乱が見られる。

欧米の企業の中には人道的な理由で早くから営業停止に踏み切った企業もあり、こうした動きと比べると日本企業の対応の遅れを指摘する声もある。

帝国データバンクでは、ロシアによる外国企業の資産国有化のリスクや、投資家や消費者によるロシアに対する厳しい批判などを踏まえ「事業の停止、撤退の見極めが難しいものの、ロシアビジネスを一時的に停止する企業は今後さらに増える可能性がある」としている。

文:M&A Online編集部

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