日本初のカジノ事業者に選ばれたクレアベストってどんな会社?

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「本命」が突然撤退

そのため和歌山県も本命視していたのは、マカオのカジノ運営会社サンシティグループだった。しかし、5月12日に自社のホームページで「新型コロナウイルス感染拡大による業界への甚大な影響と日本のIR区域認定手続が当初予定よりも大幅に時間を要すると想定され、いまだに多くの事柄が不透明だ」として、IR事業からの撤退を表明した。同社が資金洗浄に関与した疑惑が発覚したためとの見方もある。

和歌山県は、ただ1社残ったクレアベストグループを選ぶしかない状況になった。しかし、1社単独では競争原理が働かず、しかも残ったのはカジノ専門業者でもない。仁坂吉伸和歌山県知事はサンシティグループの撤退を受けて誘致断念もほのめかしていたが、これまで多額の予算をつけて準備を進めてきただけにGOサインを出したようだ。

ただ、競合相手がいなくなっただけに、クレアベストグループが和歌山県との交渉で有利な立場になったのは事実。IR開発が県の思惑通りに進まなくなる懸念もある。さらにはコロナ禍前からカジノ業界は不振が続いており、カジノ専業ではないPEファンドのクレアベストグループが「他の投資に比べ、リターンが少ない」と撤退する可能性もゼロではない。

和歌山県にとってはまさに苦渋の選択。IR事業者候補が決まったとはいえ、今後も不透明な状況に変わりはなさそうだ。最終的にIR誘致を進めているのは和歌山県のほか、大阪府・市、横浜市、長崎県の計4カ所で、2022年4月までに国へ整備計画を提出する。国はこのうち最大3カ所を認可する方針だ。

文:M&A Online編集部

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