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「うかい」の業績が急回復、主力レストランの客単価はコロナ前と比較して3割上昇

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とうふ屋うかい 大和田店

客数が完全回復しないことを見越した戦略づくり

高級料理を提供するうかいは、原価率が高いという特徴があります。2023年3月期のレストラン事業部の原価率は45.2%。2019年3月期は48.0%でした。値上げ効果もあって2.8ポイント原価率は低下していますが、飲食店の平均的な減価率は40%程度。うかいは原材料やエネルギー高の影響を巧みに価格転嫁し、顧客にも料理やサービスで還元していると見ることができるでしょう。値上げによって、原価率が下がりすぎていないところがポイントです。

価格に見合った料理やサービスを提供しなければ、既存客が店から離れてしまうからです。

うかいは資本政策においても上手く立ち回りました。2021年3月期は16億7,700万円もの純損失を計上し、自己資本比率は41.3%から27.7%まで急低下します。現金は18億6,600万円から4億1,300万円まで減少しました。

2021年4月から5月にかけて複数の金融機関から39億円のコミットメントライン契約を締結。これによってキャッシュの枯渇という最悪の事態を回避しました。2022年3月には京王電鉄<9008>に対して第三者割当増資を実施。10億円を調達し、自己資本にも厚みをつけました。

うかいは京王高尾線の高尾山口駅近くに「うかい鳥山」や「うかい竹亭」を出店するなど、京王電鉄とは地縁が深い会社。京王電鉄が運営するホテルや商業施設にうかいの菓子を販売するなど、取引関係もあります。京王電鉄は2014年にうかいに出資をしていました。両社は良好な関係を築いています。

宴会に依存する飲食企業の多くは、コロナ禍という前代未聞の出来事を前にして、事業整理や業態転換、資金調達に奔走しました。うかいも大打撃を受けたのは間違いありませんが、その影響を最小限に抑え、価格転嫁と顧客への還元を行って回復へと導いています。

2023年4月からは一部店舗でコース料理の更なる値上げに踏み切りました。引き続きコース料金の見直しを進める方針だとしています。客数は微増。つまり、うかいは客数の完全回復が難しいことを見越しており、レストランのファンが離れない絶妙な価格設定で収益性の確保を進めようとしています。

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