国内メーカーの技術力、ブランド力、価格競争力は、いまや海外の新興メーカーとの競合を前に優位性を失い、業績悪化を招いている。そこに豊富な資金力を背景に、国内メーカーの技術やブランドを狙う海外企業が出現している。2012年に旧:三洋電機の白物家電事業を中国のハイアール(海爾集団)が買収し、最近では経営再建中のシャープはEMS(受託生産)で世界最大手の鴻海精密工業(台湾)の出資受け入れを決定、再建を目指すことになった。また、東芝も白物家電事業を中国企業の美的集団への売却を基本合意したと公表するなど、低コスト生産で世界を席巻しているアジア企業主導の業界再編が動き出した。
中小メーカーは、ニッチ市場で付加価値を高め、活路を見出すことは可能だろう。大手メーカーは省エネや高付加価値製品で需要喚起を狙うが、高コスト体質で下請けや材料調達に多くの課題を抱えている。国内メーカーの多くは内需だけでなくグローバル市場でも厳しい価格競争に巻き込まれており、白物家電メーカーが生き残れるか、これから厳しい時代を迎えている。
モノづくり大国日本の象徴・電機業界の変化が激しい。日立、三菱電機は好調、パナソニック、ソニーは復調、シャープ、東芝は改革中……。最近のニュースや記事から他業界も含め動向をまとめた。
2015年はフランスを視察、在宅医療の関係者にヒアリングし、現場にも足を運びフランスも日本と似たような問題を抱えていることに気付かされたという、高齢者住宅新聞社の網谷敏数社長に伺う、最終回。