販路拡大、3PL事業拡大のためのM&A

海外企業買収も積極的に

 国内貨物の減少に伴い、物流業界では販路拡大のためのM&Aや、3PL(※脚注参照)事業拡大のためのM&A、グローバル事業に向けた海外でのM&Aが活発に行われている。

 国内でも、3PL事業拡大に向けた案件が目立ってきている。日本通運<9062>(東京都)は、2013年12月にNECロジスティクス(神奈川県)、14年1月にパナソニックロジスティクス(大阪府)を買収した。近鉄エクスプレス<9375>(東京都)も、14年4月に同じくパナソニックの全額出資子会社で同社製品の輸出入・三国間貿易手続きを手掛けるパナソニック トレーディングサービス ジャパン(大阪府)を買収し、多様化する物流ニーズへの対応を目指す。

 内外トランスライン<9384>(大阪府)は、13年2月に国際複合一貫輸送業のフライング・フィッシュ・サービス(現・フライングフィッシュ、東京都)から国内で行う国際複合輸送事業を譲り受け、事業規模を拡大した。企業物流大手のセンコー<9069>(大阪府)は、13年9月に家庭紙卸売りのアスト(大阪府)を買収することで製造から販売までワンストップの商流・物流一体型のビジネスモデルを構築している。

 また、独DHLがコニカミノルタ物流(東京都)から全国十数カ所の物流施設・車両を譲り受け、富士通グループの物流を請け負うなど、外資系企業による国内メーカーの企業物流事業取り込みも始まった。このように荷主企業の物流子会社を傘下に収め、3PL化や販路拡大を目指すM&Aが今後も活発化するだろうと予想される。

 一方、宅配便市場では、楽天(東京都)による物流網構築に向けたM&Aが活発化。10年に楽天物流(東京都)を設立、11年には千葉県市川市に「楽天フルフィルメントセンター」(RFC)を、12年には総合フルフィルメントサービス(受注から商品引き渡しまでの一括サービス)「楽天スーパーロジスティクス」の稼働を開始している。さらに、東京・名古屋・大阪の三大都市圏で30を超える配送拠点を保有し、主要都市間での翌日配送サービスを手掛けるエコ配(東京都)と資本・業務提携を締結、米国でも中堅物流会社ウェブジスティクス(米・ネバタ州)を買収、フランスでも物流事業者Alpha Direct Servicesを完全子会社化した。こうして楽天は、全世界に物流網を構築し、アマゾンやイーベイに対抗する戦略を着々と進めている。

 海外進出を巡っては、日立物流<9086>(東京都)が、フォワーディング(通関、保管、船積みなど一連の業務)会社ジェームズJ・ボイル(米・カリフォルニア州)、物流会社のCDS FREIGHT HOLDING(中国・香港)、物流会社のマーズ・ロジスティックス・グループ(トルコ)を買収。日本通運も、欧州の日本通運を通じて、高級ファッションブランドなど衣料品関連の物流会社フランコ・ヴァーゴ(イタリア)を買収。SGホールディングス(京都府)は、倉庫・陸送運輸会社アメロイド・ロジスティクス(シンガポール)を買収、運送・物流各社、海外における事業拡大を積極的に進めている。

※3PL(third party logistics)とは荷主企業に代わって、最も効率的な物流戦略の企画立案や物流システムの構築の提案を行い、かつ、それを包括的に受託し、実行することをいう。荷主でもない、単なる運送事業者でもない、第三者として、アウトソーシング化の流れの中で物流部門を代行し、高度の物流サービスを提供している。(国土交通省HPより抜粋)

文:M&A Online編集部