買われる側の事情

 繊研新聞1面の連載記事、「シリーズ再編、変わるM&A(全8回)」。 2008年4月11日付で完結しましたが、2007年から2008年にかけて増えているファッション業界のM&A、買収後の事情をとても的確にわかりやすくまとめてあり、大変興味深く読ませていただきました。

 業界では、百貨店、GMSを除き、大手企業がシェア、バイイングパワーを拡大するために買収するケースは少なく、資金の潤沢な上場企業が、自社に はないマーケット(販路・客層)や感性を獲得するために、資金、オペレーション、人材の壁にぶちあたって伸び悩んでいる中堅企業を買収するケースが多いと 思います。

 買収によって、される側の企業は、資金力と信用力が上がり、出店機会が増えるというのは確実なメリットですが、その他の点ではいろいろジレンマがあるようです。

 する側が公開企業であれば、月次で締めて短期間で損益を公表するタイムリーディスクロージャーのスピードに合わせたり、ある程度のビジネス拡大のスピードの加速はやむを得ないところでしょう。

 しかし、量販型のオペレーションが買収される側の企業に活用できるかは、なかなか難しいところのようです。

 する側のオーナー経営者は、自らが手塩にかけて構築したビジネスモデルは万能だと思い、生産背景、インフラ、マニュアルを押し付けてくるかもしれません。