トップ > ライフ > 就活・転職 >週休3日制? コロナ後の一週間の働き方の案を考えてみる

週休3日制? コロナ後の一週間の働き方の案を考えてみる

※この記事は公開から1年以上経っています。
alt
「コロナ後」は通勤風景も変わるのだろうか…(東京・新宿駅)

新型コロナウイルスの収束がいまだ見えない中、政府は緊急事態宣言の延長を連休中に発表した。企業にはテレワーク(在宅勤務)や時差勤務の継続を要請した。

「週休3日」制の足音

緊急事態宣言以降、「一つの会社に、週休2日で、通勤を伴うサラリーマン」という就労スタイルが激変した。コロナ以前に、働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)によって少しずつ変化していたが、今回、5年から10年前倒しで時代が早まった感がある。

新型コロナウイルスは、未知の領域が多く、専門家や研究機関でも完全な終息までにどれくらいを要するかついて意見が多様であるが、長丁場の闘いを覚悟する必要がありそうだ。

上場企業でも早速、感染防止と経済活動との両立を図る動きが出ている。東芝は5月7日に「週休3日制やコア無しフレックスタイム制等、接触機会を削減する施策の導入を検討・実施」を発表した。営業や事務系の職場などは在宅勤務や時差出勤を活用する一方で、工場では在宅勤務は難しいため、1人あたりの休日を増やして出勤者を減らし、工場での感染リスクを抑える。労使協議のうえで実施に移す。

中小のものづくり企業が、感染防止を図りつつ生産活動をどう進めるか悩んでいる中で、大手がモデルを示すことは非常に重要だ。業界環境や財務基盤など、個々に事情は違うため全てが当てはまるわけではないが、経営者と従業員には光が見える動きといえよう。

報道によれば、経団連は近く発表する感染予防対策ガイドラインで従業員の通勤リスク対策や職場環境など具体策を盛り込む。製造拠点での週休3日制度導入も呼びかけるという。

コロナを引き金に働き方の意識が変化

まさか1年前の平成から令和へ時代が変わった時期に、このような急激な変化が今後起こるとは誰も予想しなかっただろう。たとえコロナが発生せず、東京五輪が予定通り行われていたとしても、「都心混雑解消のためのテレワークや時差通勤」がここまで浸透することはなかったに違いない。この半ば強制的な変化に対して、働き手はどのような意識を今持っているのだろうか。

ビッグローブはコロナの影響で在宅勤務を行っている男女を対象とした意識調査の最新版を5月7日に発表したが、「今回を機に今後日本企業に在宅勤務等のリモートワークが定着すると思うか」の問いに、8割強が「定着する可能性がある」と答えた。「今後もリモートワークをしたいか」の問いは「平常時に戻ってもしたい」が約5割、「非常時にはしたい」が約4割との結果が出た。

同様の調査は様々な団体が実施しているが、リモートワークに好意的な意見が総じて多い。もちろん、「仕事に手を抜く人が増える」「情報漏洩が増える」といったネガティブな意見もあるが、今起きているこの流れはどうも元には戻らないのではないかと感じる。

東日本大震災は働くことの意識を変える契機になったとされる。企業本位の働き方から、自分や家族の幸せや地域を守るために、NPOや地場産業、フリーランス、副業に移行する人が増えた。企業側も、SDGsの取り組みに代表されるように、持続可能性の模索へと意識の切り替えが始まってきていた。

東京五輪を機にこの流れは加速すると思ったら、このコロナ危機が来たのである。

この危機を契機に、経団連は週休3日を提示するというが、残りの4日をどう社会として労働の場とするか。もちろん、コロナの落ち着きを勘案した上であるが、一つの案として「会社への出社2日、在宅勤務1日、複業及び社会的活動1日」はどうだろうか。

NEXT STORY

アクセスランキング

【総合】よく読まれている記事ベスト5