新型コロナウイルスの影響が教育現場に「休校」という形で重くのしかかる中、いきなり試練に直面しているのが新設校だ。大学では今年4月に湘南鎌倉医療大学、名古屋柳城女子大学、高知学園大学の3校が開学したが、記念すべき第1期生がキャンパスを闊歩する日はまだ見えない。

また、15年ぶりに昔の校名を戻して再出発した東京都立大学も出鼻をくじかれる格好となっている。

湘南鎌倉医療大、徳洲会グループが初めて開学

湘南鎌倉医療大学は病院経営で知られる徳洲会グループで初めての大学だ。看護師養成を目的とし、同グループが運営する湘南鎌倉総合病院(鎌倉市内の別の場所に新築移転)の跡地に開学した。看護学部(定員100人)を置く。キャンパスは鎌倉市内にあり、最寄り駅は湘南モノレール富士見町駅。

いったん延期した入学式は5月7日以降に改めて予定していたが、現在、中止を含めて検討中。5月11日からオンラインによる遠隔授業をひとまずスタートさせる。

名古屋柳城女子大学は新設とはいえ、そのルーツは約120年前にさかのぼる。1898(明治31)年、カナダ聖公会宣教師のマーガレット・ヤングがキリスト教主義に基づく幼稚園教諭の養成所を開設したのが始まり。1953年に柳城女子短期大学(1996年に名古屋柳城短期大学に改称、現在男女共学)を発足し、今回悲願の4年制(こども学部、定員70人)を併設したのだ。

入学式は4月2日に規模を縮小して実施したものの、その後、キャンパスは立ち入りを禁止。現在、5月31日まで休校を決めており、オンライン授業でしのぐ。

高知学園大学も事情は同じだ。これまで培ってきた短大教育を拡充する形で4年制を新設した。キャンパスは高知市内にある高知学園短期大学と同じ敷地内。健康科学部(2学科、定員130人)があり、管理栄養士、臨床検査技師を養成する。

4月5日に予定していた開学式と入学式は取りやめたまま。新型コロナの感染拡大の終息が見通せない厳しい状況にあるが、近森憲助学長はHP上で「そうであるからこそ、地域の人々の健康や医療のために働く人財を生みだしていきたいという決意を新たにしている」と語っている。

首都大改め、「都立大」が15年ぶり復活

首都大学東京を改め、東京都立大学へ。15年ぶりという「都立大」ブランドの復活はその話題性にもかかわらず、コロナ・ショックで世間の口の端に上ることもなく、不運というしかない。

首都大学東京は2005年、東京都立大を中心に都立の4大学が再編・統合する“大学版M&A“で発足したが、知名度が今一つ上がらず、“新興大学”と混同されるなど、就活で不利になるケースもあったという。

名前を戻した「東京都立大学」(東京・南大沢の本部キャンパス)

校名変更はもつ一つある。4月に「フェリシアこども短期大学」に生まれ変わったのが鶴川女子短期大学(東京都町田市)。フェリシアとはキク科の花の名前で、花言葉はしあわせ。校名に合わせ、校舎もリニュールしたばかり。

多くの大学はオンライン授業で急場を乗り切ろうとしているが、通常授業の再開時期はいぜん未知数。キャンパスに学生が戻ってくる日を心待ちにしたい。

文:M&A Online編集部