2018年度の開業企業のうち開業費用が250万円未満の割合が16.7%に達し、2000年度の約3倍に高まった。また「自己資金」と「配偶者・親・兄弟・親戚」からの資金調達だけで開業した企業の半数近くの開業費が250万円未満だった。

日本政策金融公庫国民生活事業が2017年4月から同年9月までに融資した企業のうち、融資時点で開業1年以内の企業8332社を対象に2018年7月にアンケートを行い、開業費用について回答のあった1655社のデータを集計したところ、このような結果がでた。

日本公庫は今回の調査結果を調査月報7月号に「増える少額開業のパフォーマンスと経営課題」のタイトルで掲載。勤務しながら副業として小規模事業を始める人が増えているほか、インターネットの普及などにより、あまり費用をかけなくても開業できる事業形態が増えたことなどが要因と考えられると分析している。

少額開業でも計画的な企業は業績が良い

アンケート結果によると、少額開業の開業業種はサービス業が最も多く、29.3%に達した。税理士事務所やエステティックなど機械設備を必要としない事業が目立ったという。次いで多かったのが小売業の13.8%で、中古自動車販売の割合が高かった。3位は医療・福祉の13.4%で、柔道整復師などの施術所が多かった。

一方、店舗や機械を必要とする「飲食店・宿泊業」や「医療・福祉」などの業種割合は低かった。開業の年齢は40歳代、30歳代がそれぞれ30%を超え、29歳以下も11.2%に達し、女性の割合は21.4%だった。

調査月報7月号

これらの結果から、日本公庫では少額開業の特徴を四点にまとめた。一つは経営者だけで開業する割合が半数以上で、従業員数4人以下が9割以上を占めるなど従業員規模が小さい。二つ目が自宅の一部を事業所に使用したり、内装工事を自分で行うなど、事務所や店舗などの費用を節約している。

三つ目は計画的に事業を進めているケースと、十分に資金を調達できずに少額開業をせざるを得なかったケースがあり、計画的に事業を進めているケースは業績が比較的良い。四つ目が従業員の確保や教育に苦労している企業が多く、支援を望んでいる-だった。

日本公庫では「低コスト、低リスクの少額開業の場合でも十分な資金調達が開業後のパフォーマンスの向上につながることが分かった」と結んでいる。

文:M&A online編集部