ビジネスの世界ではアルファベットの略語が多い。自身の業務にかかわるものであれば、日本語よりも使いやすいが、業務から少し離れたところで使われるアルファベット略語はちんぷんかんぷん。そんな馴染みのない用語でも知ると世界が広がる。MBAとMBOとは。

今年のMBOは7件

MBAは「Master of Business Administration」の頭文字で、日本語では経営学修士と訳される。米国生まれの高等教育で、企業経営の実務家の養成を目的としており、社会人を対象としたビジネススクールで、その資格が取得できる。1881年に設立されたウォートン・スクールが最初のビジネススクールと言われている。

日本でも2003年に社会的、国際的に活躍できる高度専門職業人の養成を目的に専門職大学院制度が作られ、優れたビジネスパーソンの育成が進んでいる。

現在、早稲田大学や慶應義塾大学、多摩大学など全国で30を超える大学にMBAのプログラムがあり、首都圏のほかにも東北や中国、九州などの地方の大学でも資格取得が可能。MBAプログラムを持つ大学は私立大学が多いが、一橋大学や九州大学などの国立大学もある。

一方のMBOには二つの意味がある。「Management By Objective」と「Management BuyOut」がそれで、前者は従業員が自律的に目標を設定する人事評価制度を指し、日本語では目標によるマネジメントと訳される。 

社員が自身で目標を定め、進捗や実行を自身で管理する手法で、すべて自らがかかわることで主体性が発揮され、大きな成果が出るといわれている。

後者の「Management BuyOut」は企業の経営者が株式を買い取って経営権を取得する行為を指し、日本語では経営陣による買収と訳す。

MBOには大きく分けて、上場企業が非上場化するために経営陣が買い手となる株式非公開型(上場廃止型)と、事業承継型の二つの形がある。

東京証券取引所の適時開示情報を基に経営権の異動を伴うM&A案件(グループ内再編を除く)について、M&A Online編集部が集計したところ、2019年1月1日から7月31日までの間に462件のM&Aがあり、このうち7件がMBOだった。

その一つは、米投資ファンドのベインキャピタルが印刷業の廣済堂の土井常由社長(当時)らの要請に基づきMBOの一環としてTOB株式公開買い付け)を実施した案件。このTOBについては市場価格がTOB価格を上回る状態が続いたことから、目標の株数を買い付けできず、不成立に終わった。

また、所属芸人が反社会的勢力から出演料として金銭を受け取るなどの問題を起こした吉本興業は2009年にMBOで非上場化した歴史を持つ。元ソニー会長の出井伸之氏が率いるコンサルティング会社クオンタムリープのTOBに応じ、上場を廃止した。

文:M&A Online編集部