ご注意ください
この記事は公開から1年以上経っています。掲載されている情報は、公開当時のものです。

シダックスがカラオケ事業をB&Vに売却、美味しい食事が仇に

alt


売上高の8割が固定費として溶ける超薄利多売のカラオケボックスビジネス

カラオケは8割が固定費でとられるという超薄利多売なビジネスです。コスト構造はこんな感じです。

三井住友銀行「カラオケ業界の動向」
三井住友銀行「カラオケ業界の動向 コスト構造」

カラオケ機器のリース料や著作権料などの必要経費が圧迫しています。シダックスが料飲で利益を出そうと考えた理由もわかります。しかし、時代は少人数化・節約志向へと突き進んでしまうのです。競合店は狭小地や居ぬき物件に出店して経費を抑え、「持ち込みOK」などとして客数を稼ぐことに注力するようになったのです。すでに大箱を多数出店していたシダックスは、小型化の波に乗り遅れてしまいました。

ではカラオケ業界の市場規模は縮小の一途をたどっているのか。実はそうでもありません。

visualizing.info
visualizing.info「カラオケ業界の市場規模推移」

確かに、最盛期の1996年ごろの6600億円から比べると規模は縮小しているものの2010年で底を打ち、反転しています。およそ4000億円規模に戻りました。お先真っ暗な業界というわけではありません。これからは、コアとなる顧客をいかにとるかが勝負になります。電車の運転席から見える景色を流し、車内アナウンスをして楽しむという「鉄道カラオケ」や、楽器を演奏する感覚が楽しめる「いますぐミュージシャン」など新たな需要発掘が始まっています。こうしたコンテンツが持つ力をPRして顧客を取り込む努力が必要です。

シダックスは少人数化とは別の方向に力を入れていました。例えば2015年12月にリニューアルオープンした、「シダックス新宿セントラルロードクラブ×ビックドラッグ」。ビックカメラと共同で開発した物件で、医薬品や日用品売り場を併設し、インバウンド客を取り込もうというもの。「和」のメニューを充実させて、新たな観光スポットに育てようとしました。

また、「歌わないカラオケボックス」を推進し、会議室利用を推進するための「ゆったりランチプラン」なども打ち出します。しかしながら、こうした努力も実を結ぶことなく事業売却へと至りました。

カラオケ業界は今後も激しい顧客の取り合いが続くと予想されます。

麦とホップ@ビールを飲む理由

麦とホップ @ビールを飲む理由

しがないサラリーマンが30代で飲食店オーナーを目指しながら、日々精進するためのブログ「ビールを飲む理由」を書いています。サービス、飲食、フード、不動産にまつわる情報を書き込んでいます。飲食店、宿泊施設、民泊、結婚式場の経営者やオーナー、それを目指す人、サービス業に従事している人、就職を考えている人に有益な情報を届けるためのブログです。やがて、そうした人たちの交流の場になれば最高です。 ブログはこちら 「ビールを飲む理由」 


NEXT STORY

【コシダカホールディングス】女性を招くフィットネス 買収後に飛躍的成長

【コシダカホールディングス】女性を招くフィットネス 買収後に飛躍的成長

2016/11/24

女性だけのフィットネスクラブ「カーブス」を運営するコシダカホールディングスはもともと中華料理店だった。1990年にカラオケ事業を開始、2008年にカーブス事業を買収し急成長した。その一方、ボーリング事業は早々に撤退するなどM&Aは迅速な経営判断が光る。