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【これからM&Aをする人に】とっておき情報  社労士・中小企業診断士の資格を持つ税理士が見てきたものとは(中)

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M&Aにはお金がいる。金融機関との信頼関係を構築することが重要

    資金があることは中小企業経営でとても大切なことである。M&Aにおける買い手企業ではなおさらである。資金があるということは、毎期しっかり業績を維持していること、その結果として貸借対照表で内部留保を確保できていること、そしてさらに金融機関から評価をされて希望額の融資が可能な状態であることを言う。

    逆に言うと赤字は悪である。赤字は従業員やその家族の生活を破壊することにつながる。会計上の利益が出ても資金繰りがいつも繁忙であれば赤字であるのと一緒であり、そのような状況にある会社はM&Aなど考えないほうが良い。

    M&Aにはお金がいる。意味のあるお金を借りることも中小企業経営では大切である。M&Aに必要な融資はメインバンクや日本政策金融公庫の特別融資を受けることができるが、普段からこうした特殊な事案でも短期間で対応してくれるように金融機関との信頼関係を構築することはM&A遂行上重要な要素である。

    M&A案件に真剣に向かい合って、売り手企業の生の数字に真剣に向き合って、そこから現場の真実の姿を見ることができるか。財務デューディリジェンス(DD=事前調査)などは専門家に任せることになるが、M&Aを実施する意味や、何を最優先にして早期着手・迅速課題解決に向けるのか。その決断は経営者しか出来ない仕事である。(次回は3月16日掲載)

文:大野 健司

大野 健司 (おおの・けんじ) 

1957年生まれ。山口県出身。熊本大学法文学部法律学科卒業
1980年 中小企業金融公庫(現 日本政策金融公庫)入庫
1990年~2013年 岡山支店長、福岡支店長、大阪支店長
2013年 中小企業事業本部近畿地区統轄
2015年 日本政策金融公庫退職、同年(株)経営ソフトリサーチ シニアコンサルタント

主な保有資格は税理士、中小企業診断士、社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、ITコーディネーター、事業再生士補、ビジネス法務エキスパート、事業承継アドバイザー、1級DCプランナー、メンタルヘルスⅡ種など。

経営全般のコンサルテイング、事業計画策定、後継者育成研修等を得意としている 。

著書に「これがほんまもんの経営者 15の習慣、これで会社は強くなる」(たる出版 2017.5、※アマゾンで5つ星20個獲得)がある。

E-mail:oono-kenji@tkcnf.or.jp


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