大量の不良在庫を抱えてしまったMTGは、評価損を回避しようと押し込みに近い形で「ReFa」を業者に販売するのです。これが不適切会計との指摘を受けました。「ReFa」の売上は爆買いが本格化する2016年から2017年に跳ね上がり、2018年をピークに失速します。

ReFa売上推移
ReFa売上推移(決算説明資料より)

SIXPADも売上は頭打ちに

主力商品のSIXPADの売上は好調かというと、そうでもありません。2018年と2019年の売上高が同額の135億円。売上高の97%が国内のSIXPADは、需要の限界を迎えてしまったように見えます。

SIXPAD売上推移
SIXPAD売上推移(決算説明資料より)

MTGは有名人を起用して派手なプロモーションを行い、爆発的な普及率を得るクリティカルマスを獲得、長い時間をかけて投資回収をするモデルを得意としています。臨界点を迎えた後のサービス展開が非常に苦手だといえます。

SIXPAD STATION
トレーニングジム「SIXPAD STATION」(画像は決算説明資料より)

2019年からトレーニングジムを本格的に展開しました。売り切り型のビジネスをしていた同社は、顧客満足度を維持し続ける会員型ビジネスに苦戦しているように見えます。すでに3号店まで開業しており、会員は順調に獲得できているとしていますが、具体的な数字は公開していません。

計画通りに進まず減損を実施した「Kirala」

ウォーターサーバー「Kirala」は、2017年4月から全国でサービスを開始。浅田真央さんのテレビCMで全国認知を得ました。2018年5月の「浅田真央サンクスツアー」のメインスポンサーにもなっています。やはりクリティカルマスを狙ったプロモーションでした。

「Kirala」は山梨県南部から採水した天然水で、炭酸水が作れることが特徴。デザイン性を高め、月1,200円ほどでレンタルを開始しました。これが大苦戦します。

2019年9月期kirala事業の売上高は前期比25.9%増の11億4700万円、経常損失は9億3000万円(前期は10億1800万円の赤字)。当初の事業計画通りに進まなかったことから、この期にウォーターサーバーのリース残債、在庫、固定資産の減損を実施しています。特別損失額は11億円にも上りました。

事業の売却額は12億円。譲渡先は企業投資や不動産事業を行う萬楽庵(本社:愛知県名古屋市)です。MTGは主力商品を軸とした事業に集中して立て直しを図ります。

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