MTG<7806>が「Kirala(キララ)」ブランドで全国展開していたウォーターサーバー事業を、2020年3月に12億円で売却します。メインキャラクターに元フィギュアスケーターの浅田真央さんを迎え、2017年4月に華々しいスタートを切った「Kirala」でしたが、早くも撤退となりました。

MTGは、SIXPADと並ぶ主力商品の一つである美容ローラー「ReFa(リファ)」の売上が、中国観光客の代理購入者規制などによって激減。2018年9月期に321億円だったReFaの売上は、2019年9月期は130億円まで60%も減少しました。

後にそれが不適切会計に手を染めるきっかけとなり、同社は名実ともに凄まじいダメージを受けることとなりました。

「Kirala」の譲渡は、同社が主力商品に集中する体制を築く第一歩となりそうです。この記事では以下の情報を得ることができます。

・ReFa落ち込みの理由
・SIXPAD苦戦の背景
・MTGの業績                                                                              

純利益40億円から純損失262億円へと急転

ReFa
渦中の「ReFa」(画像は決算説明資料より)

MTGは2019年9月期の売上高が前期比38.3%減の360億4600万円、営業損失が144億2100万円(前期は69億2500万円の黒字)、純損失が262億700万円でした。2020年9月期は売上高が5.4%増の380億円、営業損失20億円を見込んでいます。

自己資本が317億円と厚みがあるため、債務超過希薄化を伴う増資へと踏み切る可能性は低そうですが、泥沼から抜け出す道はまだ見えていません。

まずは同社がこの状態に陥った背景から見てみましょう。

MTGは腹筋を鍛える「SIXPAD」を主力商品とする企業で、2018年7月に東証マザーズに上場しました。公募価格5,800円に対して初値は7,050円(22%増)。当時はメルカリ<4385>に次ぐ大型上場とも言われていました。

広告にサッカー界のスーパースター、クリスティアーノ・ロナウド選手を起用するなど、世間的な注目度が高かったことが株価上昇の背景にあります。その他にもマドンナと共同で化粧品を開発し、話題性でブランド価値を高める巧みな企業戦略をとっていました。

潮目が変わったのは、上場直後の2018年10月。大ヒット商品の美容ローラー「ReFa」の販売に急ブレーキがかかったのです。中国が転売目的に購入した海外渡航者に対して、税関検査を強化。これによって、いわゆる「爆買い消費」が消滅しました。

また、新EC法を施行。越境ECサイトの経営者、代理店に対して納税が義務付けられました。MTGは上場直後にヒット商品の太い販売チャンネルを2つ同時に失ったことになります。