「譲れないもの」が何かは、ディールが本格的に始まる前の段階で、社内で共通認識を持っておいた方が良いだろう。なぜなら、ディールが本格化してくると、案件成立をさせたいという担当者のバイアスがかかり始め、恣意的に要件をいじれてしまうからだ。
従って、まだ冷静な頭で考えられるうちに、社内の関係者間では明文化して握っておくのが良いだろう。「譲れないもの」を担保できないのであれば、案件自体も見直すべき、と社内で予め合意がとれていれば、案件の撤退基準の一つにもなる...
M&Aの失敗の要因が株式取得前の「前工程」にあるのか、それとも株式取得後の「後工程」にあるのか。マイノリティー出資の場合、前工程でつまづくと、後工程で巻き返すのは至難の業。マジョリティー出資のように資本の論理で突き進むことができない。
今回は「垂直統合型M&A」の特徴や交渉時における注意すべき点などについてお話します。水平統合型M&Aに比べて目的が明確である一方で、他のタイプのM&Aとは異なるむずかしさがあるのです。
「株式移転」とは、新たに持株会社となる親会社を設立し、その親会社の100%子会社になる手法です。合併と違い、見かけ上は「兄弟」会社となるため、序列をつけたがらない日本企業が好む組織再編の手法といえます。
スクイーズ・アウトは少数株主を排除するための手法です。株式会社では少数株主がいる限りは、経営の自由度に一定の制約がかかります。それを解決する手段がスクイーズ・アウトです。