バーチャルデータルームを誰でも使える値段に

-日本では今後、後継者難によるM&Aが増えると言われていますが、これらM&A は規模が小さく、バーチャルデータルームを使いにくいのではないですか。

「バーチャルデータルームを使えるのは10億円以上という比較的大きな案件に限られていた。だが小さい商談だからバーチャルデータールームがいらないかというとそうではない。値段を下げるとこうしたところでも使えるようになる。2億-3億円の商談でも使えるようになるだろう。もっとすそ野を広げて、誰でも使えるような値段にしていこうと思っている」

-メールの内容が漏洩していたというニュースを聞きました。

「重要な情報をメールで送る人が多い。会社でもそうだし、弁護士の先生方の中にもそういう人がいる。インターネットのメールというのはサーバーを経由して送られるが、サーバーを経由するたびに中が見えてしまう」

「メールははがきと同じ。はがきは運んでいる間にいろんな人が見ることができる。はがきは郵便局員が扱うが、インターネットの場合は誰が扱っているのか分からない。機密データをメールで送るのは、はがきに機密情報を書いて送るのと同じ。途中で誰に見られるか分からない」

「ちょっと気にする人は暗号化して送るが、暗号化して送った後にパスワードもメールで送ると意味がない。こういうやり方で機密データをやり取りすると漏れてしまう。これがM&Aなどの場合だと致命的なことになる」

-メールが誰かに見られるというのは怖いですね。本日は大変興味深いお話をお聞きできました。ありがとうございました。


佐々木 隆仁(ささき・たかまさ)さん

1989年早稲田大学理工学部卒業。大手コンピューターメーカーに入社し、OSの開発に従事したのち、1995年に起業。 AOSテクノロジーズ社を設立。

2012年にAOSリーガルテックを設立。2018年に日本初のAPI取引所となるAPIbankを設立。東京都出身、54歳。

著書に「デジタル データは消えない」(幻冬舎)、「NPE訴訟と新知財戦略」(幻冬舎)、「30 分で理解!イラストでわかるマイナンバーQ&A30」(日経BP社)、「リーガ ルテック」(アスコム)、「APIエコノミー」(日経BP社)などがある。

 文:M&A Online編集部