忘年会シーズンの客数がほぼ横ばいと危険な結果に

また、稼ぎ時である忘年会シーズンの11月の客数が100.8%と、昨対比で伸びていない点もネガティブ要素として注意したいところ。居酒屋企業は、繁忙期の10月~12月の売上を多く見込むのが普通。禁煙化により、経営計画に狂いが生じる可能性があるのです。

そのため、串カツ田中は何でもありの総合居酒屋というスタイルはとらず、客層に合わせて業態を訴求する戦略を推し進めています。

串カツ田中決算説明資料
決算説明資料より

若者向けに食べ放題メニューを入れたり、子供連れ、ペット連れができる店舗、立ち飲みスタイルの店などを開発しているのです。同社は、ターゲットに合わせた店舗づくりをすることで、従来の居酒屋モデルからの脱却を図ろうとしています。

都内を中心とした規模の大きい飲食店は、禁煙・分煙化に本格的に取り組まなくてはなりません。居酒屋系企業は、顧客構造が変わり、これまでのビジネスモデルが通用しなくなることも視野に入れた方が良さそう。

分煙化への設備投資はどのくらい?

全席禁煙は、ハードルが高いことがわかりました。そうなると、分煙ブースを設けて従来のメインターゲットを逃がさない施策を考えたいところです。

設備投資にはどれくらいの金額がかかるでしょうか? 分煙設備にはいくつかパターンがあります。飲食店向けとしては、以下のような設備が適合しそうです。

  • ・分煙機器の導入
  • ・パーティションでの隔離
  • ・喫煙ブースの設置

※組み合わせが発生する場合もあります

JTのホームページに、金額の大まかな目安が記載されています。それによると、分煙機器が60万~100万円。パーティションが60万~200万円。喫煙ブースが130万~250万円ほど。投資額としては、非常に大きいものになりそうです。

大手居酒屋企業が、分煙設備設置に向けて動き出しているとの話も聞こえてきます。そうすると、新規出店を抑えて分煙設備に集中的に資金を投じることとなります。目先の売上と利益に、少なからず影響することは間違いありません。

自治体や政府主導で進められる禁煙化が、飲食店を揺さぶっています。設備投資に二の足を踏んで全席禁煙を選んだ時、ビジネスモデルそのものを変える必要があることを、経営側は考慮した方が良さそうです。

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