不正会計を防止できない企業風土

調査報告書では、元会長の平田恒一郎氏などが不適切な処理を了解あるいは指示したと認定されています。平田恒一郎氏は創業者である平野周次氏の子にあたります。創業家の経営者としてナイスグループの部長級以上の人事は同氏が掌握し、業務に関しても役員および従業員に厳しく接していたということです。

「白Yシャツしか許されない」とか「ゴルフ禁止」といったルールに違反し、降格させられた役員や従業員がいることからも、経営トップの意に反する言動は難しかったのではないかと想像できます。

グループ会社の抜本的な見直しと組織風土の改革が課題

調査報告書では、特にナザックといった支配会社を利用した取引について、収益認識の判定、連結子会社や関連当事者への該当性などが重点的に検討されています。

終盤ではいくつかの再発防止策が挙げられていますが、特に連結範囲の見直しや子会社および関連会社の整理については不正の温床となる関係性を排除するものとして重要と考えられます。

また、同時に「清く、正しく、まじめなナイス」という理念について「抽象的」という言葉を使って戒めています。「白Yシャツしか許されない」や「ゴルフ禁止」といった形式的なルールにとどまらず、具体的にコンプライアンス(法令遵守)に向けてどのような行動が必要とされるかについて周知がなされるよう提言がなされています。

文:北川ワタル