施設の不動産価値は100分の1以下に

上場した日本郵政は不採算施設の撤退を急いでいます。

会計検査院が調査した2008年度時点で、小樽の経常損失は1億3000万円、酒田は8800万円、竹原は600万円でした。どこも利益が出ていません。酒田は投資額が52億2000万円でしたが、評価額は4000万円程度まで落ち込んでいました。

施設のオープンは、小樽が昭和34年(昭和60年改築)、酒田が平成8年、竹原が昭和45年(平成元年改築)です。施設の老朽化は進み、不動産価値は減少しています。投資額の100分の1程度、もしくはそれ以下の価値しかありません。多くの施設が地方の立地条件の悪い場所にあり、老朽化が進んで集客に苦しむという三重苦。資産価値を向上するのは至難の業です。

実は、かんぽの宿の総投資額は2400億円にも上っていました。その資産価値は128億円まで目減りしたのです。日本郵政は、2008年に109億円でかんぽの宿を一括でオリックスグループに売却すると発表しました。オリックスは杉乃井ホテルなど地方の温泉施設立て直しに成功しており、かんぽの宿を保有・運営するに相応しいと思われました。しかし、鳩山邦夫元総務大臣がバルクセールの妥当性を理由に見直しを求め、計画を撤回することとなったのです。

バルクセールは複数の施設を保有する企業が最後に使う手段だとはいえ、閉鎖した店舗の譲渡先を一軒一軒探すのは凄まじい手間がかかります。かんぽの宿は、今後閉鎖した施設を少しでも高く買う企業を見つけなければなりません。

買収したトールホールディングスののれん4000億円の特別損失計上、6000件のかんぽ契約違反など、無理な経営体制の歪みが上場後に表面化している日本郵政。事業の選択と集中を進めるためのかんぽの宿処分が、粛々と進められています。

麦とホップ@ビールを飲む理由