緊急事態宣言解除は東京五輪開催の最終的な「ゴーサイン」

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安全に開催するなら「東京封鎖」だが…

英国でもデルタ株の流行により、ワクチン未接種者の間で再び新規感染が拡大している。すでに新規感染のうちデルタ株が4分の3を占めているという。Our World in Data(6月11日時点)によると英国でのワクチン接種完了率は43.38%と高いが、それでもデルタ株の感染拡大を抑えきれない状況だ。

接種完了率が4.32%と英国の10分の1以下の日本で、デルタ株の感染拡大が起これば第5波の到来は避けられない。日本の一般国民でのワクチン接種は、65歳以上を中心に進んでいる。これはアルファ株は高齢者が重症化する可能性が高かったため。

一方、デルタ株は若年層でも重症化するケースが多数報告されている。移動頻度が高い65歳未満人口の大半がワクチン接種を受けていない五輪期間中に国内で同株の感染が広がれば、感染拡大を抑え込むのは極めて難しいだろう。

唯一、感染を抑え込んで大会を成功させる可能性があるとすれば、五輪終了まで過去3回の緊急事態宣言よりも厳しいロックダウン(都市封鎖)を実施し、人流を徹底的に抑え込むことだろう。だが、東京五輪のためのロックダウンとなると、1年以上に及ぶ「自粛疲れ」で国民の反発は大きくなる。

政府としては、より緩やかなまん延防止等重点措置で不要不急の外出を自粛するよう働きかけるのが精一杯だろう。もっとも、緊急事態宣言発令中にもかかわらず東京23区の繁華街では4週連続で増えており、その実効性は疑問だ。

文:M&A Online編集部

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