新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大で、がん患者が増える懸念が出てきた。と言ってもコロナウイルスが、がんの発生を促進するという話ではない。コロナ感染を懸念して、がん検診の受診件数が大幅に減少しているのだ。

自治体のがん検診、前年の1割以下に激減

日本対がん協会(東京都中央区)によると、がんの早期発見を目指す地方自治体の成人がん検診で受診件数が激減している。コロナ感染が深刻化した2020年3月に前年比で64%と減り始め、4月に同16%、5月はわずか同8%と10分の1以下にまで激減したという。

これは病院などの検査機関がコロナ感染対策のため不要不急の検査を中止したり、混雑を防ぐために検査件数を減らしたりしたのに加え、受診者も外出を控えた影響があるという。

特に肺がん(5月の前年同月比5.8%)、胃がん(同5.9%)、大腸がん(同6.8%)の受診率が低い。最も落ち込みが大きい肺がんは比較的進行が早いため、検査件数の激減により進行がん患者が増える可能性もあるという。