経済産業省は9月30日、2021年度予算概算要求・税制改正要望を発表した。中小企業の事業承継やM&A の支援などに517億円を計上し、新たに事業承継・世代交代集中支援事業(27億円)を展開する。ポストコロナ社会に向けて、中小企業の経営資源集約化(統合・事業再構築など)を後押しする新税制の創設も盛り込んだ。

中小企業の事業承継やM&A支援などに517億円を

概算要求の総額は、前年度当初予算比12.7%増の1兆4,335億円。一般会計は同22.6%増の4,399億円で、うち中小企業対策費は同27.8%増の1,420億円。事業承継やM&Aの支援などを想定した517億円も、前年度当初額に141億円上乗せした。

新規の事業承継・世代交代集中支援事業では、事業承継・事業再編を契機とした設備投資や第三者承継時の専門家活用費用などを賄う事業承継補助金を当初予算で措置し、承継後の成長促進も見据えたサポートを展開。後継者選定後の教育に関する実証事業(事業承継トライアル実証事業)も、年度当初から実施する。

また、各都道府県にある事業引継ぎ支援センターと事業承継ネットワークを統合し、相談窓口を一本化する。事業承継ニーズを積極的に発掘し、事業承継計画の策定支援や専門家派遣など事業承継に関する総合的な援護に乗り出す。

コロナ禍で相談が急増している中小企業再生支援協議会の体制も拡充し、再生計画案の策定支援などの要望に十分応じられるようにする。

このほか、「新しい日常」に対応するための事業再構築・事業再編支援等を事項要求し、具体的な取り組みなどについて予算編成過程で検討する。

株式対価M&A促進へ新税制も要望

新たに要望した税制は機動的な事業再構築を促すため、株式対価M&Aの円滑化を図る。被買収会社株主の株式譲渡益・譲渡所得に対する課税繰延措置の実効性を高める上で、産業競争力強化法に基づく特別事業再編計画の事前認定を恒久的に不要とすることなどを求める。

株式対価M&Aは自社株で買収できるため、手元資金が乏しくても将来的な成長を見込める企業にとって大きな利点がある。一方の被買収会社株主も、事業再編による企業価値向上のインセンティブが期待できる。

文:M&A Online編集部

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