赤字拡大の「HIS」と黒字転換見込む「JTB」その分かれ目は?

alt
写真はイメージです

旅行以外の事業に差

これに対しJTBは、2021年11月19日に発表した2022年3月期第2四半期決算では、売上高は前年同期比38.5%増の1789億円と増収を達成。営業損益は331億円の赤字(前年同期は711億円の赤字)、経常損益は260億円の赤字(同580億円の赤字)、当期損益は67億円の黒字(同782億円の赤字)で回復傾向が見られた。

海外旅行は相変わらず壊滅的な状況に陥っているものの、国内旅行が前年同期比43.0%増加し、訪日旅行も10倍ほどに増えたほか、ふるさと納税事業やオンラインサービス、人事総務系などのソリューション事業などの旅行以外の事業が同71.5%と好調だったのが効いた。

それでも営業損益、経常損益は赤字から抜け出せなかったが、当期損益は不動産の売却などによって、黒字を確保することができた。

旅行以外の事業の売上高は931億円で、旅行事業の売上高867億円を64億円上回り、コロナ禍で旅行事業が縮小する中、売上規模が逆転した。

通期でもこの傾向は変わらず、国内旅行需要を取り込み、ソリューション事業などに注力するとともに経費の圧縮などに取り組むことで、当期損益の黒字を維持する計画だ。

国内旅行の取り込みが進み、旅行以外の事業が好調に推移するJTBと、国内旅行に回復が見られず、エネルギー事業などの旅行以外の事業でも大きな赤字を計上したHISとの間で、業績に格差が生じた。

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

M&Aをもっと身近に。

これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。


NEXT STORY

「HIS」「JTB」「NTA」あの手この手の挽回策とは

「HIS」「JTB」「NTA」あの手この手の挽回策とは

2021/12/20

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、大打撃を受けている旅行会社3社が、あの手この手の挽回策を打ち出している。3社とも業績は厳しい状況が続いており、当面はあの手この手の挽回策が続くことになりそうだ。

関連のM&A速報