なぜ外国人取締役の方が上司の社長よりも報酬が高い?

しかも、トップ10で会長または社長職に就いていたのは、ゴーン前会長とクリストフ・ウェバー武田薬品工業<4502>社長の2 人のみ。残る外国人役員は、上司に当たる会長や社長よりも高給取りだったということになる。ここまで「外高内低」となるのはなぜか。

「日本企業と海外企業では役員になるプロセスが異なるため、役員報酬の考え方が違う。これが外国人役員の報酬が飛びぬけて高い要因だ」と、田村征継マーサージャパン 組織・人事変革コンサルティング部門 シニアコンサルタントは説明する。

日本人役員はオーナー経営者を除き、新卒で入社した社員のうち中間管理職を経験した在職期間の長い幹部社員から選抜されるのが一般的だ。つまり役員は社員の延長の「最上級管理職」であり、報酬も一般社員の給与の延長となる。そのため、1億円を超える報酬を得る日本人役員は珍しい。

「日本企業と海外企業では役員になるプロセスが違い、報酬相場に影響している」と指摘する田村さん(Photo by Hidemi Matsumoto)

一方、外国人役員は他の企業で実績をあげた候補者から選ばれる。いわば「役員労働市場」というマーケットからの選抜となる。これまで経営してきた企業の業種や類似の企業との業績比較、売上規模や職位などの厳しい選考をくぐり抜ける人材だけに、大企業の「お眼鏡」にかなうプロ経営者は少ない。

とりわけ「グローバル企業での役員経験を持つ人材は極めて限られているので、当然ながらメジャーリーグやサッカー名門チームの選手たちと同様、報酬は高騰する」(田村シニアコンサルタント)のだ。