東京地検特捜部は、ゴーン前会長が報酬額を少なく見せかけるために一部の支給を繰り延べたことを問題としている。だが「報酬支給の繰り延べ」は世界的な流れだ。
むしろ「英国では役員報酬が50万ポンド(約7000万円)を超える場合、一部繰り延べ支給が義務付けられている」と、井上康晴マーサージャパン 組織・人事変革コンサルティング部門 プリンシパル役員報酬・コーポレートガバナンスプラクティスグループリーダーは明かす...
日産自動車の株価がカルロス・ゴーン前会長の勾留理由開示の出廷を受けて下落した。2019年1月に894円(前日終値は893円)で始まった日産株は9時50分頃に898円まで上げたが、ゴーン氏の出廷が速報で伝えられた10時20分には888円に。
日産のゴーン会長が内部告発で東京地検特捜部に逮捕された事件は、他の企業経営者にも衝撃を与えそうだ。この手の「不祥事」は世間でよく聞く話だ。ただ従来は「根拠がない誹謗中傷」で済んだものが、告発による公権力の介入という事態を招くことが判明した。
品質不正問題で揺れた国内産業界。しかし、悪いのは不正を働いた企業だけなのか?
上場企業で「不適切な会計・経理(以下、不適切会計)」を開示する企業が増えている。東京商工リサーチによると、調査を開始した2008年以降では最多ペースで、このままで推移すると年間(1-12月)最多を記録した2015年の52社(53件)を上回る可能性が出てきた。