2017年の終わりごろから、世界中で急速に普及し出した仮想通貨。ビットコインをはじめとして様々な仮想通貨が次々と生まれ、日本でも多くの人が「億り人」(おくりびと=仮想通貨投資で億万長者になること)となった。

 しかし、あまりにも急すぎる普及であったため、日本における法整備はまだまだ追いついていない状況にある。そこで今回は、現時点で税務・会計上仮想通貨がどのように取り扱われるようになっているのかについて簡単にまとめてみたい。

仮想通貨をめぐる法整備はまだこれから…(Photo by Antana)

所得税法上の取り扱い 

 恐らく、最も多くの個人投資家が気になっているところだと思われる。昨年9月の報道でも出たように、仮想通貨によって得た利益は、基本的に雑所得になるといわれている。ただ、事業者が事業用資産として仮想通貨を保有し、決済手段として利用している場合や、仮想通貨取引による収入によって生計を立てていることが客観的に明らかな場合には、事業所得に該当すると考えられる旨が、国税庁により発表されている。ということは、サラリーマンは基本的には仮想通貨による売買利益は雑所得に該当課税により申告しなければならない。そのため、

①株式やFX等の所得に対して適用される申告分離課税等とは違い、最高税率が55%(住民税含む)

②他の所得と損益通算ができない

という強烈なデメリットがある。しかし、損益通算はあくまで他の所得との通算ができないことから、雑所得内での損益は合算することは可能であると考えられる。つまり、ビットコインで生じた損と、イーサリアムで生じた利益を合算する分については問題ないと考えられるということだ。

 また、先日ニュースで話題になったコインチェック事件について、盗まれたNEMの補償金も所得として課税対象になりうる旨の答弁書が閣議決定されたことから、やはりまだまだ法整備が十分に整っていないことが窺える。

相続税や贈与税はどうなる?

 仮想通貨を大量に保有する人が死亡した場合や、仮想通貨を贈与した場合についてはどうなるのか、大いに気になる。

 これについて、2017年6月に国税が発表している税務大学校論叢「仮想通貨の税務上の取扱い -現状と課題-」では、仮想通貨は財産的価値を有することから、当然に相続財産となる旨が述べられている。ということは、仮想通貨を相続した場合、贈与された場合は、相続税も贈与税も発生してしまうこととなる。

 ただ、仮想通貨は通常、取引を行う本人しか知らない秘密鍵を知らなければ、その通貨を誰も取り扱うことができない。そのため、相続人が被相続人の秘密鍵を知らない場合、財産的価値はもはやゼロとなるため、相続したと言えないのでは?となる。しかし、逆に秘密鍵を知らされてないということを国税が立証することもまた困難。そのため、反証のない限り、被相続人の死亡時の価格で相続されたものとみなされてしまうことが、上記論叢を通じて国税庁が発表している。

 贈与税法上も、非課税枠である110万円を超える贈与を行った場合、現時点では贈与時の価格を財産評価としたうえで課税されることになる。また、この贈与のタイミングは、実際に仮想通貨を譲渡した時点だけでなく、秘密鍵を他人に共有した時点も含まれるものと考えられている。