【会計・新基準】収益認識とプライシング

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2.新基準の計上価格ルール

収益の新基準の考え方は「履行義務アプローチ」と呼ばれ、要するに、「お客さんと約束したこと(履行義務)をやった時に、その約束の対価で売上を計上しなさい」ということです。
そこで、何が「対価」なのかをしっかり考える必要が出てきます。

事後のキャッシュバックやリベートなど、お金は払っただけで対応する商品やサービスが無いとなると、売上のマイナスになる可能性が高いと言えます。
例えば、スーツを2着買って1着無料券をもらった場合、2着を売った時点で売り手にとっては3着目を無料で渡すという義務が残ります。このため、2着分として受け取った金額の3分の2は売上からマイナスされ、前受金となります。
このとき、それぞれのスーツが同じものなら2着分の代金を3で割って1着分の代金を求めればよいのですが、それぞれ異なる値段のスーツであれば代金を比例配分することが必要です。

それでも、スーツのように比較的価格がはっきりしているものはまだ分かりやすいのですが、価格がはっきりしないものと組み合わせになると厄介です。
例えば「いま車を買えば3年間はエンジンオイル交換無料」というキャンペーンでは、お客がどれくらいエンジンオイル交換に訪れる分かりません。それでも3年間のエンジンオイル交換の権利の値段を考え、価格を配分しないといけません。

販売戦略によってパターンは様々ですが、新基準では「本当の対価はいくらなのか」を突き詰めることになります。そして企業にとっても、複雑に組み合わせた値引やキャンペーンを整理して「本当の対価」を把握することは、販売価格を決めていく上で重要です。

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